中国が“爆買い”で、世界サッカー界を征服する日:赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)
中国がサッカーの分野でも“世界制覇”を狙っている――。こんな話を聞いても、多くの人は「そんなわけないでしょ」と思われたかもしれないが、ひょっとしたら実現するかもしれない。そう感じさせられる動きが、中国企業を中心に起きているのだ。
臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:
国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。
野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。
中国がサッカーの分野でも“世界制覇”を狙っている――。荒唐無稽な笑い話に感じたかもしれないが、これはあながち的外れなことではない。
どうしてこういう話題を取り上げることにしたのかというと先日、ある在日華僑の有力者A氏から冒頭の文言について「中国共産党の上層部は本気だ」との熱弁を振るわれたからだ。酒席だったとはいえ、その場で気になったのでいろいろと掘り下げて聞いてみたところ、確かに中国政府の深謀遠慮が見え隠れする。
非常に分かりやすいところから入れば、中国国内のプロサッカーリーグだ。2004年に創設され、近年目まぐるしい急成長を遂げている中国スーパーリーグの勢いは凄(すさ)まじい。この冬の移籍市場でも、世界トップレベルの選手たちを同リーグの主要クラブが次々と獲得して世界のサッカー界を驚かせている。
昨年のAFCチャンピオンズリーグを制した広州恒大は今冬の移籍市場でスペイン1部リーグ(リーガ・エスパニョーラ)のアトレティコ・マドリードから移籍金4200万ユーロ(約51億円)を注ぎ込み、現コロンビア代表FWのジャクソン・マルティネスを獲得。
また江蘇蘇寧はチェルシー(英プレミアリーグ)に所属していたブラジル代表のMFラミレスを移籍金2800万ユーロ(約34億円)で加入させ、さらにそのチェルシーが狙っていたシャフタール・ドネツク(ウクライナ・プレミアリーグ)のブラジル代表MFアレックス・テイシェイラを中国サッカー史上最高額となる移籍金5000万ユーロ(約61億円)で“強奪”した。同リーグの他主要クラブも凄まじい金額を投じ、世界の名だたる一流選手を競うように買い集めていった。
その結果、今冬の移籍市場が2月26日に閉じられると、同リーグに所属するクラブが投じた移籍金が合計で実に3億3100万ユーロ(約405億円)もの巨額に達した。これは世界のプロサッカーリーグでトップ5と目されているリーガ・エスパニョーラや英プレミアリーグ、ブンデスリーガ(ドイツ)、リーグ・アン(フランス)、イタリア・セリエAを加えた中での「今シーズン世界最高額」となったとの報道も出ている。まさに“爆買い”だ。
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