借金大国の日本が「安全な資産」と言われる3つの理由:マネーの達人(3/3 ページ)
2015年6月末時点で国の借金は過去最大の約1057兆円にふくれあがっています。世界一の借金大国となった日本ですが、他国からは「安全な資産」との見方も。今回は、日本が安全な資産と言われる3つの理由を考えてみます。
理由その3. 経済規模と政治的安定など
日本の国内総生産(GDP)は、2009年以降中国に抜かれたものの、米国、中国に続いて世界第3位です。GDP国の経済規模や景気動向を表す重要な指標です。
日本は経済規模において大きな影響力を持っていることが分ります。加えて、政治的な安定やテロ、紛争などの地政学リスクも比較的少ない国であることもその理由の1つと言えます。
先が読めない相場展開
最近の金融相場は円を買うか株式を売却するか――つまり、円高あるいは株安による債券価格の上昇を狙った動きになっています。
日銀が「マイナス金利」の導入を発表以来、相場は教科書通り(ファンダメンタルズ=経済の基礎的条件)の動きをしていません。これは中国経済、原油価格、米国の利上げ、テロや紛争、欧州の信用不安などの影響により、投資家のリスク回避を加速させています。
その結果として、リスクの回避先が日本の資産となったのです。日本の資産は安全性において「他国と比べてまだマシ」なだけなのかもしれません。これからの相場に注目です。(小林仁志)
著者プロフィール:
小林仁志
山梨県生まれ。電器メーカーに入社後本社および米国・シンガポール・マレーシア等の事業所に勤務。在職中は財務経理を中心に総務人事・経営戦略・内部監査等の職種を経験したほか、同社の子会社監査役を務め2011年退任、2012年4月より独立系FPとして事業活動を開始。
専門分野においては、特に団塊世代の年金・医療保険・税金等のリタイアメントプランや旅行とお金のプラン、住宅ローンや保険の見直し、株式・投資信託等の資産運用など。
保有資格:CFP(R)認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引主任者、総合旅行業務取扱管理者、登録ロングステイアドバイザー(ロングステイ財団)、他
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