なでしこジャパンに“氷河期”が襲来するかもしれない:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
順風満帆だった日本女子サッカー界に厳しい現実が待っている。リオデジャネイロ五輪の出場権を逃したことによって、今後どのような逆風が吹き荒れるのか。筆者の臼北氏によると……。
一部の選手が監督の悪口
一部メディアでも既報されているが、栄光を突き進んでいたはずのチームは内部崩壊がジワジワと拡大。既に指揮官の座からの退任を表明した佐々木則夫監督と代表選手たちの間に生じた不協和音は取り返しのつかない深刻なレベルにまで達していたという。
ロンドン五輪終了直後の2012年9月で契約が満了することに伴い、同監督は勇退を決めていたものの協会側からの強い続投要請を一転して受け入れた。この辺りからチームにはマンネリズムが停滞するようになり、指揮官のことを一部選手たちが陰で「ノリオ」と呼び捨てにして小バカにしたり、悪口をささやいたりするようなことが日常化していったと聞く。
しかし事は、どちらが「良い」か「悪い」かというだけの問題ではない。言うまでもなく佐々木監督は、なでしこジャパンを世界の強豪チームへと引き上げた功労者だ。だが9年間も代表チームを率いていれば、次第に年齢を重ねていく自分と若返りの求められる代表選手とのジェネレーションギャップを埋めていく作業は段々と難しくなっていく。これはなでしこに限らず、どのようなチームもとい組織社会でも起こり得る。
そうしたミゾを埋め合わせができるのは、澤穂希さんだけだった。しかし、経験豊富な大ベテランは昨年末に現役を引退。潤滑油的な役割も務めていた澤さんが不在になったチームは、主将のMF宮間あや(岡山湯郷)やエースFW大儀見優希(フランクフルト)らベテランと若手選手の間にも急激にすきま風が吹き荒れるようになっていってしまった。
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