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なでしこジャパンに“氷河期”が襲来するかもしれない:赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)
順風満帆だった日本女子サッカー界に厳しい現実が待っている。リオデジャネイロ五輪の出場権を逃したことによって、今後どのような逆風が吹き荒れるのか。筆者の臼北氏によると……。
スポンサー離れが加速する!?
加えて心配なのは「なでしこ」をこれまで支援してきたスポンサーがリオ五輪出場消滅によって続々と撤退していくかもしれないという不穏な情報だ。1999年のシドニー五輪予選で敗退を喫し、翌年の本大会出場を逃した際には、その余波によって日本女子サッカーリーグから多くのスポンサーが撤退。資金不足によって廃部に追い込まれるクラブやプロ契約を解除される主力選手も続出した。
なでしこジャパンには今後、大きな大会は2019年のワールドカップまでないことから再び深刻な“氷河期”が襲来することも懸念され始めている。「そんな環境下で選手たちのモチベーションが果たして上がるのか」との声が出るのも無理はない。
遅きに失した感は否めないが、協会幹部は土下座してでもスポンサー離れを食い止め、なでしこマネーを“死守”しなければいけない。チーム強化、そして人気維持のためにはやはりどうしても予算が必要なのだ。
高倉氏が今年11月に開幕するU-20女子ワールドカップ(パプアニューギニア)で自ら指揮を執る“ヤンなで”を初優勝に導いて、日本女子サッカー復権を印象付けた後、満を持して次期なでしこ監督に就任。そして田嶋幸三次期会長を筆頭に今月27日から新体制となる女子新委員長・今井純子氏ら日本サッカー協会幹部が一蓮托生(いちれんたくしょう)の覚悟のもとで「なでしこ再建」に心血を注ぐ。そういうシナリオの実現をぜひとも期待したい。
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