「当たるかも!」と思いがち 宝くじ購入に見る家計のリスク思考:マネーの達人(2/2 ページ)
宝くじの1等が当たる確率をご存じでしょうか? 夢を追うのは結構ですが、くじに費やしすぎるのは考えものです。今回は、第663回サマージャンボ宝くじを例に、くじ購入が家計に与えるリスクについて考えてみます。
家計のリスクを低く見積もっていませんか?
人が宝くじを購入する心理は、とても参考になります。これは、外れるリスクの大きさよりも、当たる確率を高く見積もったということになります。よく「ダメもと」と言いますが、これも期待感の表れです。
パチンコ屋の新装開店に見られる行列も、「自分は当たる」という期待感から確率を高く見積もっているからなのです。
一方、飲酒運転や電話をしながらの運転は危険極まりないですが「自分だけは事故を起こさないだろう」と、確率を低く見積もってしまいがちです。
人間は良いことは自分に、悪いことは他人に起こりやすいと感じるようです。このような感覚は、こと家計管理においては非常に危険です。
例えば、業績連動型のボーナスを確実な収入としてみなして家計を組み立てていると、ボーナスに減額があった場合、家計が左右されてしまいます。また、住宅ローン控除を活用して夫婦共有でマンションを購入したものの、すぐに離婚となり、お互いに買い取る現金もなく途方にくれる――なんてことも。大げさと思うかもしれませんが、甘い見積もりで何とかなるだろうと思っていると、何ともならないことが多いのです。
リスクを明確化しその対応策を考え準備することは、中年破産や老後貧乏の回避にもつながります。わが家にはどのようなリスクがあるのか、1年に1回は洗い出してみると良いですね。(大木美子)
著者プロフィール:
大木美子
おうちのお金の専門家。あなたの笑顔は家族を幸せにします。お金の不安をなくして、たいせつな家族と楽しい生活をおくるお手伝いのサポートが当事務所のモットー。
業務関連資格:1級FP技能士(国家資格)、宅地建物取引主任者(国家資格)、貸金業務取扱主任者(国家資格)、住宅ローンアドバイザ―、個人情報保護士、日商簿記1級
所属団体:住宅金融普及協会会員、FP技能士センター正会員、昭和女子大学 社会人メンター協力員、ファイナンシャルJP会員、ご当地FP FP-RECO参加
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