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クライストチャーチ大地震から5年、現地の復興はどうなっているのか?事例に学ぶ、地方創生最前線(3/4 ページ)

東日本大震災の約1カ月前に発生したクライストチャーチ大地震。震災から5年を経たクライストチャーチの中心市街地は、新しい都市へと生まれ変わりつつあるようだ。

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起業家を育む「ミニストリー・オブ・オーサム」

 震災後、クライストチャーチでは自ら事業を始める若者が増えたという。「ミニストリー・オブ・オーサム(Ministry of Awesome)」はこうした起業家の支援に取り組む非営利組織だ。「素晴らしい省」と直訳されるこの組織だが、行政機関ではない。3人の女性常勤スタッフが起業家たちのネットワーキングイベントやシェアオフィスなどさまざまなサービスを提供している。

 スタッフのひとり、エリカ・オースティンは創業の経緯をこう語った。「アイデアを形に変えていくうえで最も大切なのは誰かに話を聞いてもらい、共感してもらうこと。震災後に多くの人たちが自分で何かを始めようとしていた。そこでネットワーキングイベントを始めたのが始まり」


ネットワーキングイベント“Coffee & Jam”の様子。クライストチャーチの起業家にとって、アイデアを共有して経営資源につながる場となっている

 ギャップ・フィラーと同様、彼女たちもポジティブな場をプロデュースするのがうまい。これまでに150回以上開催しているというネットワーキングイベント、コーヒー&ジャム(Coffee & Jam)では、平日のランチタイムに50人ほどの参加者が集まっていた。リラックスした雰囲気の中、コーヒーを片手にパンをかじりつつ事業アイデアについて議論したり、スタッフ募集をしたりする姿が見られた。その場にいた起業家のひとりは、「ここに来ると、ほしいサポートや人がすぐに見つかる。それに1人じゃないと感じられるから、気分が落ち込んだときにやってくるんだ」と語っていた。

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