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鴻海からの“心遣い”を、シャープはどう受けとめたのか水と油は交わるか(1/6 ページ)

台湾の鴻海によるシャープ買収決定後に開かれた共同会見において、鴻海・郭会長兼CEOはシャープのイノベーターとしての歴史をべた褒め。ところが、両社の経営に対する基本姿勢はまるで異なるものなのである。

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 事態が急速に動き出してからの二転三転。そしてついに、その日はやってきた。

 3月30日、台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業は取締役会でシャープの買収を決議。出資額は当初よりも約1000億円減額となる3888億円だった。

 その3日後の4月2日、大阪・堺にある堺ディスプレイプロダクトで行われた鴻海とシャープの共同会見は、すべてが鴻海の郭台銘会長兼CEOのペースで進められた。

4月2日の共同会見に臨んだ鴻海の郭会長兼CEO(中央)とシャープの高橋興三社長(右)。左は鴻海の戴正呉副総裁
4月2日の共同会見に臨んだ鴻海の郭会長兼CEO(中央)とシャープの高橋興三社長(右)。左は鴻海の戴正呉副総裁

 質問をはぐらかすような回答を繰り返したり、質問の最中にコップに水を注ぎ、隣のシャープ・高橋興三社長と乾杯をしたり――。報道陣を煙に巻きながら、不要なコメントが多い郭会長兼CEOに対して、鴻海の広報責任者からも、「このままでは数人しか質問できなくなる」と、発言を簡潔にすることを求められる始末。

 だが、それも聞かずに、会見は3時間近くにおよぶものになった。最後には、自らのコメントが終わると、逐次通訳や司会者の発言を待たずに、席を立ち、勝手に会見を終了させた。

 こんな様子からも、買収交渉において主導権を発揮した、郭会長兼CEOの豪腕ぶりを垣間見ることができた。

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