なぜマイクロソフトは自社ブランド端末「Lumia」を日本に投入しないのか?(1/4 ページ)
さまざまな企業が参入し、日本で「Windows 10 Mobile」搭載のスマートフォンが相次いで発売されている。マイクロソフトは力を入れているというが、その本気度を感じられない、ある理由があるのだ。
日本において「Windows 10 Mobile」搭載のスマートフォンが相次いで発表されている。
日本マイクロソフトによると、現在、日本国内においては、10社から11機種のWindows 10 Mobile搭載スマホが発表されている。「これだけ多くの機種が発売されているのは日本だけ」と意気込むのは、日本マイクロソフト 執行役 コンシューマー&パートナーグループ OEM統括本部長の金古毅氏。「パートナーとの連携を強化し、少量でも市場投入できる環境が整ったことが、これだけの品ぞろえにつながっている。PCメーカー以外のパートナーからもスマホが投入されている」と語る。
現在、Windows 10 Mobileを発表しているのは、マウスコンピューター、プラスワン・マーケティング(FREETEL)、サードウェーブデジノス、トリニティ(NuAns)、日本エイサー、VAIO、ジェネシスホールディングス(geanee)、ヤマダ電機、日本HP、パナソニックの10社。大手メーカーだけでなく、中小規模メーカー、そして量販店も参入するというにぎやかな構図が見られている。
実は、マイクロソフトでは、2014年から、CTE(チャイナ・テクノロジー・エコシステム)と呼ぶ仕組みを導入している。中国や台湾などのODM(委託者のブランドで製品を設計・生産)パートナー40社以上が参加するこのプログラムには、マイクロソフトとODMパートナーが、直接、Windowsに関するライセンス契約を行い、Windows搭載デバイスを生産する。これが多くの企業へと製品供給できる仕組みだ。
それまでは、OEMメーカーと呼ばれる企業が、マイクロソフトとライセンスを結び、それを基に、ODMベンダーが生産するという仕組みだったため、市場参入できるメーカーが限られていた。特に2012年10月にリリースされた「Windows Phone 8」では、グローバル展開していたノキア、ファーウェイ、HTC、サムスンの4社だけにライセンス供給が絞り込まれていたこともあり、日本のスマホメーカーには参入の余地がなかった。
だが、CTEによって、あらゆる企業が、ODMベンダーから、Windows搭載デバイスを調達し、販売できる体制が整ったとも言える。こうした仕組みの変更が、日本におけるWindows 10 Mobile搭載スマホの相次ぐ発表につながっているのだ。
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