133年目の奇跡を成し遂げたレスター・岡崎慎司のスゴさ:赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)
サッカーの英プレミアリーグで日本代表・FW岡崎慎司の所属するレスター・シティFCがクラブ創設133年目にして初優勝を遂げた。欧州のプロサッカーリーグで活躍する日本人選手は数多くいるが、岡崎は周囲からどのように評価されているのだろうか。
無類のタフネス・ジャパニーズ
さて、岡崎に話を戻そう。そんな弱小チームの一員となって背番号20を与えられたのは2015年の6月末。それまで4年半ほどプレーしていたドイツ・ブンデスリーガではFSVマインツ05在籍時の2013-14シーズンに日本人最多得点記録となる15得点をマークするなど数々の功績を残し、その輝かしい経歴を引っ下げての移籍だった。だが前半戦はなかなかチームにフィットできずベンチを温めるシーンも多く、苦境も味わった。それでも徐々にラニエリ監督やチームメートたちの信頼を勝ち取っていき、最終的にはスタメンの座を奪い取った。「点を取ること。とにかくゴールを意識する」
ドイツから英国へ――。言葉も文化も、そして何よりサッカースタイルも全く異なる環境へ飛び込む苦労は我々の想像を遙かに絶する。移籍直後はどうしてもプレー以外の気苦労にも知らず知らずのうちに神経を奪われ、FWとして、その当たり前の意識を忘れがちになっていた。だが、ベンチからラニエリ監督によって今季よりセンターフォワードに抜てきされたヴァーディが自身の武器である豊富な運動量を生かし、水を得た魚のようにゴールを量産し続ける姿を見て闘魂に再び火が付いた。
フィジカルの強さとスタミナ、それに豊富な運動量は群雄割拠のブンデスリーガでも徹底的に鍛えて磨いてきた。自分だって負けてはいない。そういう自負が岡崎の気持ちの中にもあった。その気持ちが結実し、背番号20は段々とチームにとってなくてはならない存在となっていった。
無類のタフネス・ジャパニーズはヴァーディや、右サイドハーフを主に配置されるアルジェリア代表MFリヤド・マフレズのカバーもこなす。攻撃から守備に切り替わった際、動き回っていた彼ら2人が担当すべきところにスペースが空けば、それを岡崎がフォローする。他の選手の倍以上走り続ける岡崎を見て、いつしかラニエリ監督は「こんなにも献身的で高い運動量を誇るスゴい日本人選手を見たことがない」と感嘆の言葉を口にするようになっていた。
関連記事
- 何が起きていたのか? 清原和博容疑者が古巣・巨人を「震撼」させていた
元プロ野球選手・清原和博容疑者が覚醒剤所持容疑で逮捕されたが、その衝撃はいまだ沈静化していない。新たな疑惑がたくさん浮上してきているからだ。その中の1つ……。 - 日本ハムが“ハンカチ王子”を「クビ」にしない理由
“ハンカチ王子”として一躍有名になった日本ハムの斎藤佑樹投手も今季でプロ6年目。もういい加減、一軍で活躍しないと「解雇」の二文字もチラついてきそうだが、球団はどのように考えているのだろうか。 - 重くなったのに、なぜ軽く感じるのか 売り子が背負うビールサーバー
野球場などでキャストと呼ばれている“売り子”が生ビールを販売している。彼女たちが背負っているサーバーは重いので、アサヒビールとデサントは共同で新しいモノを開発。さざかし「軽く」なったんだろうと思っていたら、実は「重く」なっていた。えっ、どうして……? - 周囲の人間はどう見ているのか イチローと本田圭佑のスゴさ
日本を代表するプロスポーツ界のレジェンド2人が今、厳しい立場にいながらもベストを尽くそうと心血を注いでいる。イチローと本田圭佑選手だ。両選手を取り巻く現状とチームメートたちの声などを取材したところ……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.