間違いがちなフレームワークを総点検 「そのポジショニングでは売れない」:マーケティングなんてカンタンだ!(4/4 ページ)
現代マーケティングの大家、フィリップ・コトラーは「コトラーのマーケティングコンセプト」のポジショニングの項で、「マーケティングで最も重要なのはポジショニングである」と明言している。
ポジショニングは一発で決まると思っている!
「STP」を細かく表現するなら、Segmentation → Targeting → TargetのKBF(Key Buying Factor)→Positioningなのだ。故に、ターゲットが決まったら、そのターゲット像を詳細化し、ターゲットが考え得るKBFをとにかく数多く洗い出す。そして、そのターゲットならどのKBFを重要視するかを考えて軸を設定し、その上で競合と差別化ができるか検証する。もし、差別化が図れないなら、次の順位のKBFに軸を切り替えてみる。そうやって、マップを何度も書いてみるのが肝要なのである。
もし、上記の手順でターゲットの優先順位が高いKBFの軸で優位なポジションが取れなかったらどうするか。それは、「ターゲットが間違っている」ということを意味しているので、当連載第4回「マーケティングは流れで読み解く」で述べたとおり、「戻る!」という観点で、Targetingのやり直しをすることが必須で、それをせずに無理なPositioningを設定してしまったら、以降の4Pがうまく設計できないことになる。
「マーケティングの流れ」で考えれば、環境分析→STP→4Pだ。そして、4Pを最も簡単な言い方で表現するなら、「魅力の打ち出し方の設計」である。つまり、その設計さえできてしまえば、あとは、その魅力の実現手段である製品・価格・販路・販促の4つの要素(4P)を整合性に留意しながら具体的に考えていくことになる。つまり、4Pはもう実施・実現段階なので、ポジショニングこそがマーケティングの流れの中で最も重要なのはコトラー先生が指摘した通りなのだ。(金森努)
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