発売3年で売上2.5倍! アイス「パキシエル」の開発秘話を聞いてきた:水曜インタビュー劇場(パキッ公演)(5/6 ページ)
マルチパックのアイス「パキシエル」の売り上げが好調だ。発売してから3年で、2.5倍に拡大。「超激戦」とも言われているアイス市場で、なぜパキシエルは売れているのか。森永製菓の開発担当者に話を聞いた。
売れるためにどのような工夫をした?
森永: かもしれません。機械がこのくらい動くから、時間的な猶予は何秒あって、その間にどのくらいのスピードで吸引して……ペラペラペラペラ(難しい話をされていたので、割愛しました)といった感じですね。工場でうまくいかないことが何度もありまして、そのたびに紙を出してきて、計算していました。計算して「答えは○○」となるわけですが、それでもうまくいかないときはうまくいかないんですよね。そうしたときには、トライアンドエラーを繰り返していました。
土肥: 私のような文系人間には無理ですね。コサイン(cos)、タンジェント(tan)くらいしか分かりません。
森永: ……。
土肥: あっ、いま、コサイン、タンジェントと言いましたが、その意味を説明しろと言われれば困るわけでして……(汗)。さ、次、次の質問をさせてください(焦)。
パキシエルは発売後、3年間で売上高が2.5倍になりました。厳しいアイス市場の中で実績を残されたわけですが、売れるためにどのような工夫をされたのでしょうか?
森永: 前身商品「濃厚チョコレートバー」は競合商品との差別化ができず、苦戦していました。そうした経験があったので、社内では「前の商品よりも少し売れたらいいよね」といった話をしていました。2013年にパキシエルを発売したところ、濃厚チョコレートバーの前年実績に比べ35%伸びました。そして2014年は101%、2015年は48%、それぞれ伸ばすことができました。
アイスの商品だけに限らず、多くの商品で2年目は苦戦することが多いんですよね。1年目はそこそこ売れても、2年目は“鮮度感”のようなものが失われていくので、どうしても売り上げが落ちるケースが多い。
土肥: でもパキシエルの場合、2年目に2倍も増えていますよね。
関連記事
- “若手”の「パルム」が、発売後7年で8倍も売れた理由
発売してから今年で10年目の「PARM(パルム)」(森永乳業)が、ビッグブランドの中に食い込んでいる。アイスクリーム市場は定番商品が強いのに、なぜ“若手”のパルムは売れているのか。その謎に迫った。 - 受注を減らしたのに、なぜ「チョコモナカジャンボ」は3倍も売れたのか
森永製菓のアイスクリーム「チョコモナカジャンボ」が売れている。売上高は14年連続で伸びているが、その背景にはどんな“仕掛け”があったのだろうか。同社のマーケティング担当者に話を聞いた。 - なぜミニストップのソフトクリームは真似されないのか
某コンビニのPB商品がヒットすれば、競合他社が同じような商品を販売する――。コンビニは“真似の歴史”を刻んで、拡大してきたわけだが、真似されないモノもある。そのひとつが、ミニストップのソフトクリーム。その理由は……。 - 王者「ガリガリ君」を倒したのは? ロッテアイスの戦略が面白い
アイスクリーム市場が活気に沸いているが、どの商品が売れているのだろうか。業界などが発表している売れ筋ランキングではなくて、消費者のレシートを分析したところ、意外な結果が! それは……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.