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なぜ人は「マグロ」を食べても「サーモン」に感じるのか 大学教授が分析:水曜インタビュー劇場(パキッ公演)(2/7 ページ)
森永製菓のアイス「パキシエル」が売れている。売れている原因を科学的に分析したところ、話は思わぬ方向に進んでいき……。
パキシエルは速く割れて、パキパキ度が強い
岡嶋: 下の図を見ていただけますか? 縦軸(荷重)のピーク値が大きいほど硬くて、ピークのときの横軸(圧縮距離)の値が小さいほど早く割れるんですよ。つまり、直線の傾きが急になるほどパキパキ度が強いことが言えるんですよね。
土肥: 板チョコに比べて、「パキシエルは速く割れて、パキパキ度が強い」というこですか?
岡嶋: はい。硬さを調べたところ、両方とも同じ硬さなんですよ。しかし、硬さに到達する時間が違う。板チョコの場合は、ぐーーーっと圧力を加えることによって、パキッと割れる。一方、パキシエルの場合は、すぐにパキッと割れてしまう。板チョコに比べて、パキシエルの先端部分のパキパキ度は約2.3倍ですね。
土肥: ほー、そんなに違うのですか。チカラを加えるとすぐに割れるそうですが、そうなるように何か工夫しているのですか、森永さん。
森永: 食感を出せるように、硬い種類のチョコ成分と柔らかい種類のチョコ成分を適度にブレンドしています。硬すぎるとボロボロこぼれてしまうので、適度な柔らかさがでるようにしています。
岡嶋: 次に、一般的なチョコレートのアイスバーと比較してみました。下のグラフを見ていただけますか?
土肥: 先ほどの板チョコと違って、差は歴然としていますね。
岡嶋: パキシエルは縦軸の荷重(硬さ)のピーク値と直線の傾きが大きい。つまり、一般的なチョコアイスバーにはないパキパキ感を味わうことができるというデータが出ています。
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