イチローが「日本人のアイデンティティー」にこだわる理由:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
マーリンズのイチロー外野手が「日米通算」でピート・ローズ氏の持つ歴代最多安打4256本の記録を塗り替えようとしている。2001年から大リーグでプレーし、数々の記録を塗り替えてきたイチローのモチベーションはどこにあるのか。
日本プロ野球はまだまだ格下
こうした論争が沸き起こっている現状を耳にすると、やはり日本プロ野球はまだまだ米国内においてメジャーリーグよりも格下に見られているという印象が拭えない。
過去3回開催されている「WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)」でも日本は2006年の第1回、2009年の第2回で連覇を達成し、世界レベルでの強さを誇示してきた。それでも米国内のファンの大半は「日本の野球が一番強い」と思ってはいない。WBCは米国内のファンにほとんど浸透しておらず、しかも各メジャーリーグ球団からの理解も得られていないことから、有力選手不在の米国代表チームなど最強軍団ではないとの見方が大勢を占めているのが現状だからだ。
メジャーリーグこそが世界最高峰のプロ野球リーグ――。そう当たり前のように認識している人は米国にもちろんのこと、日本にも数多くいる。2017年の第4回大会以降もWBCに抜本的な改革が施されない限り、同大会で日本がいくら結果を出そうともこの流れだけは残念ながら変わりそうもない。加えてWBCうんぬんではなくメジャーリーグ各球団の規模や資金力、選手層の厚さを日本プロ野球の各球団と比較してみても、全ての面において両者間の圧倒的な差が一目瞭然であることは疑いようのない事実だからだ。
それでも日本プロ野球界は少しでもこの「メジャー最強論」の流れに歯止めをかけて打破しようと、これまで懸命の努力を重ねてきた。例えばメジャーリーグでア・リーグとナ・リーグのチャンピオンチームが対戦する1年に1度の「ワールドシリーズ」に「ここで勝ったチームが“世界一”と名乗るのはおかしい。それならばワールドシリーズに日本プロ野球で日本シリーズを制したチームも加わるべきだ」とイチャモンを付けた日本プロ野球の有識者は何人かいる。
関連記事
- 「イジメ」「逆風」に屈しなかったイチローのスゴさ
大リーグのイチローが金字塔を打ち立てようとしている。メジャー通算3000本安打まで残り65本、日米通算でいえば、最多安打を誇るピート・ローズ氏の4256安打にあと43本。「やっぱりスゴいなあ」と思われたかもしれないが、そのイチローも海を渡った直後は苦労を味わっていた。それは……。 - 新天地でも“転校生”ではない、イチローのハイレベルな「EQ」
メジャー15年目のシーズンを迎えたイチロー選手は、今季から新チームに合流。新天地なので苦労するのでは? と思いきや、チームメートと楽しそうに会話をしている。“転校生”のような立場なのに、なぜすぐにチームに溶け込むことができたのか。 - “ハンカチ王子”斎藤佑樹の人気はなぜ凋落したのか
かつて“ハンカチ王子”として脚光を浴びた日本ハム・斎藤佑樹投手の人気が凋落している。成績がパッとしないから仕方がない部分もあるが、なぜKYな言動を繰り返すのか。その裏にあるのは……。 - 何が起きていたのか? 清原和博容疑者が古巣・巨人を「震撼」させていた
元プロ野球選手・清原和博容疑者が覚醒剤所持容疑で逮捕されたが、その衝撃はいまだ沈静化していない。新たな疑惑がたくさん浮上してきているからだ。その中の1つ……。 - 何もできない松坂大輔を、孫正義オーナーが見捨てない理由
松坂大輔が2軍で大炎上した。福岡ソフトバンクホークスと巨額契約を結んだにもかかわらず、何ひとつ結果を残せていない。とっくの昔に我慢の限界は超えているはずなのに、なぜ球団は松坂を見捨てないのか。その理由は……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.