「テレビと呼ぶには、面白すぎる」NOTTV、4年超でサービス終了
日本初のスマホ向け放送局「NOTTV」が、6月30日12時にサービス終了した。目標の会員数を獲得できず、事業継続が困難になっていた。
日本初のスマートフォン向け放送局をうたった「NOTTV」が、6月30日正午をもって終了した。「テレビと呼ぶには、面白すぎる」をキャッチコピーに2012年4月からスタートしたが、目標の会員数を獲得することができず、4年3カ月間での停波となった。
NOTTVは、NTTドコモの100%出資の連結子会社mmbiと、その連結子会社のジャパン・モバイルキャスティング(Jモバ)が運営。12年3月末に停波した地上アナログテレビの放送帯を利用し、オリジナルコンテンツやスカパー!放送番組を有料で配信した。
だが専用チューナーを組み込む必要があるので対応端末が限られる、難視聴地域がある、料金に割高感がある――といった点がネックになり、特にシェアの大きいiPhoneユーザーを取り込めなかったことが痛手で、会員は伸び悩んだ。15年末までに会員登録者数600万人を目指していたが、その4分の1の約150万人にとどまった。
3〜4年で黒字化する当初計画に反し、負債が年々重なり、累損は1100億円超に。事業継続が困難になり、終了が決定した。最終日になった6月30日午前11時50分からは「NOTTVのキセキ」という振り返り番組が放送され、ひっそりと終了した。
サービス終了に伴い、mmbiがJモバを吸収合併し、Jモバは消滅。さらにmmbiは親会社のNTTドコモが7月1日付で吸収合併する。合併に先立ちドコモは債権を放棄し、mmbiの債務超過を解消した上で合併する。
ロイターによると、保有している周波数帯域は返納するという。現時点では正式に発表はしていない。
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