TOTOが成田空港に“最新トイレ”を設置するワケ:水曜インタビュー劇場(トイレ公演)(2/7 ページ)
成田空港内にある「GALLERY TOTO」をご存じだろうか。最新機能を搭載したトイレを体感できるわけだが、なぜTOTOはこのような施設をつくったのか。その理由は、数十年先を見越して……。
早いタイミングで進出しなければいけない
土肥: 海外事業の売上高比率がじわじわと伸びていますよね。直近の決算で22%。ただこの数字に満足しているのではなくて、将来的には50%にまで高めたいとか。TOTOが海外に進出したのは1977年なので、「えっ、まだ22%? 遅いなあ」と思われる人もいると思うのですが、現地ではどのような活動をされているのでしょうか?
山下: 自動車や家電製品などは消費者にウケるとものすごく売れますよね。でも購入して少し古くなったら「買い換えるか」となって、新製品を購入される人がいます。でも、トイレは違う。「家のトイレは5年ほど使っているから、買い換えるか」といったモノではないんですよね。だから、現地に早いタイミングで進出しなければいけません。
土肥: トイレは頻繁に購入するモノではない。それは理解できるのですが、早いタイミングで進出しなければいけないって、どういう意味でしょうか?
山下: インフラ(水洗など)が整備されていない国はたくさんあるのですが、整備される前の段階から進出していると、時間がありますよね。その時間を使って、さまざまなことを「学ぶ」ことができるんです。例えば、現地の工場でトイレをつくったものの、その商品が受け入れられるかどうかはやってみないと分かりません。
また、いいトイレをつくるために、原材料はどこで調達すればいいのか、安定供給できるのか。こうした問題をクリアしないと、いい製品がつくれません。天候が変わったり、湿度が変わったり、水が変わったり――さまざまなことを想定して、「これがダメになったら、これで」といった感じで、原材料を代替えできるようにしなければいけません。ちなみに、トイレをつくる原材料は、すべての工場で違うんです。でも、当社が定めた品質でなければ、市場に出回ることはありません。
土肥: ほー。料理に例えると、塩は塩でも、違う塩を使っている。でも、「味は同じだなあ」と感じられるようにしているわけですね。トイレの原材料って、どんな配合になっているのですか? (ずうずうしく)
山下: それは企業秘密なので、お伝えすることはできません(きっぱり!)。
土肥: 残念。
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