「為せば成る、為さねば成らぬ」とは、どういうことか:1日3時間で10年間(1/3 ページ)
「為せば成る、為さねば成らぬ何事も」とは、上杉鷹山が家臣に与えた家訓である。この言葉は「できそうにないこともその気になってやり通せばできる」と解釈される。本当に、できるようになるのだろうか。
著者プロフィール:竹林篤実(たけばやし・あつみ)
東大寺学園高校卒業、京都大学文学部卒業。印刷会社営業職、デザイン事務所ディレクター、広告代理店プランナーなどを経て、2004年にコミュニケーション研究所の代表。ブログ:「だから問題はコミュニケーションにあるんだよ」
「為せば成る、為さねば成らぬ何事も」とは、上杉鷹山が家臣に与えた家訓である。正確にはこの後に「成らぬは人の為さぬなりけり」と続く。この言葉は、できそうもないことでも、その気になってやり通せばできることと解釈される。本当に、できるようになるのだろうか。
1日3時間で10年間
羽生善治氏は幼いころから、1日3時間集中して将棋に取り組んだという。それを10年続けた。将棋の世界でプロになるためには、最低限これぐらいの努力が必要だという。
1日3時間を10年間続けると、どうなるか。単純計算でざっと1万950時間ほどになる。要するにこれは「1万時間の法則」である。
空手の世界では「千日のけいこを持って初心とし、万日のけいこをもって極とす」という言葉がある。千日けいこを続けてようやく入り口に立ち、1万日続けると極みに達する。1万日といえば30年。気の長くなるような話ではある。
筆者も一応、黒帯をいただいた。空手を始めたのが40歳の時で、昇段審査に合格したときには48歳になっていた。この8年間に、1回2時間の道場けいこに平均して週2回通った。年間40週ぐらいけいこしたとして合計1280時間、一応「初心」ぐらいにはなったのかもしれない。
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