人工知能が未来を予測! 世界初&日本発の新サービスがスゴそう:水曜インタビュー劇場(未来予測公演)(3/7 ページ)
「AIが未来を予測するようになった」――。このように聞くと、ぎょっとする人もいるかもしれないが、1年先の未来を予測してもらうことで、私たちの働き方が変わりそうなのだ。AIを使った予測マーケティングのサービスを提供している、WACULの大津社長に話を聞いた。
どのようにして開発したのか
大津: Webサイトの分析ツールっていくつかありますが、いずれも過去の実績しか表示してくれません。しかし、私たちが開発したモノはAIの技術を使って、1年先まで予測できるようにしました。例えば、2017年7月の訪問数は1000人で、そのうち購入してくれる人は200人といった感じで。またその数字はどこから来ているのかも予測することができます。広告からなのか、検索からなのか、外部ページからなのか、といった具合に。
土肥: なぜそんな予測ができるのですか?
大津: 現在、当社では4000社以上のデータを預かっていて、たくさんのデータを分析しました。例えば、2015年7月から12月までのデータをAIに渡して、2016年1月から6月までを予測してもらった。
AIにデータを見せて「当てなさい」と指示する。その作業を何度も繰り返すことで、いい結果を出すようになったんですよね。予測してもらうのは過去のデータなので、こちらは「正解」を知っている。AIが正解すると「よかったね」と伝える。そうすると、AIが覚えてくれて、自分たちで「こういう感じがいいのね」と調整してくれるんですよ。いわゆるディープランニング(深層学習)です。
土肥: その作業で大変なことは?
大津: AIが分析していくのですが、その結果をひとつひとつ人間がチェックしなければいけません。もちろんAIが判断することもできるのですが、最初のころは「どうやればいいのか、あまり分かっていない」ので、出てきたデータをチェックしていました。
また調整の部分も人間の手でなければいけません。例えば、サッカーチームの監督のように指示を出すんですよ。ワールドカップで優勝するようなチームと、サッカーを始めたばかりの人を集めたチームとでは、選手に伝える指示の内容が違いますよね。ワールドカップで優勝するようなチームの選手には高度な内容を伝えなければいけませんが、初心者ばかりのチームには、基本的な指示を出さなければいけません。このような感じで、AIにも基本的なことを伝えていました。「パスはこのように出せ」「相手にボールが渡ったらすぐに戻れ」といったように。
で、何度も何度もチェックしていって、最終的に強いチームを選びました。つまり、予測したデータと実際の結果の間にズレが少ないモノですね。
土肥: ふむ。それにしてもなぜ予測できるサービスをつくろうと思われたのでしょうか?
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