米マクドが復活の兆し! 外食産業が注目する「朝食」事情:来週話題になるハナシ(3/3 ページ)
米国で「朝食戦争」が勃発している。ファストフードチェーンやレストランなどが、次々と新しい朝食メニューを投入し、顧客の争奪戦を繰り広げている。このトレンドの波にうまく乗っているのが、マクドナルドだ。
どんなふうに朝食が変化していくのか
シリアルの生みの親で業界大手のケロッグは、2016年6月にニューヨークシティのタイムズスクエアにカフェスタイルのダイニングをオープンした。この「Kellogg's NYC」では、定番のシリアルに新しいツイストを加えた朝食メニューを終日提供している。
このダイニングで最大のウリは、地元の人気スイーツ店「Milk Bar」のオーナーで、有名パティシエのChristina Tosiとコラボした個性派シリアルだ。抹茶やレモンゼストなどがトッピングされた、ちょっとファンシーなシリアルやデザートが提供されている。
ケロッグの試みは、「朝食の定番」という枠を超えて、シリアルの新たな魅力を発信する場所としてブームを作り出せるか、今後の展開が興味深いところだ。
時代の変化とともに朝食への意識が変わりつつある中で、ファストフード店からシリアルメーカーまでが工夫を凝らして「朝食」に力を入れている。
この「朝食戦争」はこれからさらに広がりを見せる可能性がある。どんなふうに朝食が変化していくのか、その行方に注目だ。
著者プロフィール:
藤井薫(ふじい・かおる)
大学を卒業後、広告代理店や出版社を経てライターに。
『POPEYE』『an・an』(マガジンハウス)や『GLAMOROUS(グラマラス)』(講談社)などで、ファッション、ビューティ、ビジネスなど幅広い記事をカバー。日本と海外を頻繁に行き来して、海外トレンドを中心に情報発信している。
そんな思いをベースに、世界の企業動向や経営哲学をはじめ、それをとりまくカルチャーやトレンドなどを中心にして、思わず誰かに言いたくなるようなネタを提供していくコラムです。
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