異物は? 入っていません! ローソンの中国工場に潜入してきた:水曜インタビュー劇場(上海公演)(7/8 ページ)
マクドナルド中国工場での“事件”は記憶に新しい。床に落ちているチキンをひろって再び製造ラインに放り込んだわけだが、そのほかの工場はどうなのか。今回は特別な許可をいただいて、ローソンの上海工場を潜入することに。そこで見たものは……。
手巻きずしが売れなかった
野澤: お弁当の平均単価は13元、日本円にして200円ほど。安いですよね? なんとか高級なお弁当として20元(315円ほど)のモノを発売したことがあるのですが、なかなか売れません。コンビニを利用されるお客さんは「買ってすぐ食べたい」というニーズが強い。「買ってすぐ食べたいので、高級なモノでなくていい」という考えが強い。というわけで、なかなか高級なお弁当が定着しません。
土肥: でも、中国って物価が上がっているんですよね。そうすると、自然にお弁当の価格も上がっていきそうな。
野澤: 物価が上昇しているので、コンビニでも値上げをしている商品が多いですね。ただ、高級なお弁当は定着していません。
土肥: 難しいですねえ。商品開発のときに「これは絶対に売れる!」と思っていたのに、実際に売れなかったモノってありますか?
野澤: ここ数年、長い棒のような形をしたおにぎりがよく売れているんですよね。ということは、「日本でも販売している『手巻きずし』が売れるはず」と思ったんです。でも、全く売れませんでした。
土肥: (長い棒の形をしたおにぎりを食べる)うん、鶏肉をマヨネーズであえていて、おいしい。
野澤: でも、手巻きずしはダメでした。なぜか。ボリュームが少ないんですよね。
土肥: 確かに、この棒状のおにぎりは重い。先ほどの話と同じで、ボリュームが足りないのですね。
野澤: あと、手巻きずしってちょっと面倒ですよね。フィルムを開けて、のりを引き出して、そののりを下にしてごはんをコロンと巻かなければいけません。
土肥: 言われてみると、慣れていなければ難しいかも。
野澤: 日本で売れているモノをベースにして、こちらの人の口に合うようにアレンジをしているのですが、正解がまだ見つかりません。今後も「これはどうだろう? 現地の人の口に合うかな?」と試行錯誤を繰り返さなければいけません。
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