「仕事が遅れがちな人」が、やっていないこと:結果を出す“下ごしらえ”(5/5 ページ)
「この仕事、お願いしますね」と言われて、とりあえずやってみる人がいる。しかし、締め切りを守れず、各方面に迷惑をかけることも。なぜ「とりあえずやってみよう」という人は、仕事が遅れがちになるのか。
仕事の発注者に進ちょくを報告
経営者はこうも言っていた。経験が浅いうちは、プロセスにどのくらいの時間がかかるのか、周囲の先輩や上司に聞いてみるといい、と。
ただし、そのときは、プロセスの分解をしっかり自分でやっておくことが大切だ。その上で、自分なりに時間見積もりを立ててから相談してみる。そうすることで、実際の経験者との考え方の違いを把握できるのである。
そして、最もやってはいけないのは、定められた時間に遅れてしまうこと。締め切りに間に合わなくなってしまうことだ。
そのためにも必要になるのが、仕事の発注者に進ちょくを報告することである。仕事を出した側の立場に立ってみるといい。思い通りの仕事が進んでいるか、常に心配なのだ。
「打ち合わせはしたけれど、思うような方向でアウトプットは出てくるのか」
「今はどこまで仕事は進んでいるだろう」
「本当に締め切り通りに上がってくるだろうか」
そんなふうに考えていてもおかしくない。だから、進ちょく報告が意味を持つ。「今このあたりまで来ています」「どのくらいでできそうです」と報告する。少し心配になったら、相談をしてもいい。
そしてこの進ちょく確認も、仕事のプロセスに組み込む必要があるのだ。
プロフィール:上阪徹(うえさか・とおる)
1966年兵庫県生まれ。1989年早稲田大学商学部卒業後、リクルート・グループなどを経てフリーランスのライターとして独立。最前線のビジネス現場から、トップランナーたちの仕事論を分かりやすく伝えるインタビューを得意とする。雑誌や書籍などで執筆するほか、取材で書き上げるブックライター作品も70冊以上に。取材相手は3000人を超える。
著書に『やり直し・差し戻しをなくす できる人の準備力』(すばる舎)『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?』『なぜ気づいたらドトールを選んでしまうのか?』『なぜ今ローソンが「とにかく面白い」のか?』『成功者3000人の言葉 人生をひらく99の基本』『職業、ブックライター。』など。
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