“手先が伸びて縮むだけ”のロボットが、「在庫ゼロ」になるほど売れている理由:水曜インタビュー劇場(ロボット公演)(1/7 ページ)
「ロボット」と聞けば、複雑な動きをするモノ――。といったイメージをしている人も多いと思うが、手先が伸縮するだけのロボットが売れている。トヨタ自動車やオムロンといった大企業が導入していて、現在の在庫は「ゼロ」。なぜ多くの企業が、単純な動きをするロボットを求めているのか。
「ロボット」と聞いて、どんなモノを想像するだろうか。AI(人工知能)が搭載されていたり、複雑な動きをしたり、人間ができないことをしたり――そんなことを思い浮かべる人が多いかもしれないが、“手先が伸びて縮むだけ”のロボットが、各方面から注目を浴びているのだ。
そのロボット名は「CORO(コロ)」。2007年に創業したライフロボティクスというベンチャー企業が、今年1月に発売した。「コロ」の映像を見る限り、失礼ながら「地味」という表現がよく似合う。ベルトコンベアに運ばれてくる商品をつかんで、それをケースの中に入れるだけ。一連の動作からは、「革新」「先進」「未来」といった言葉が浮かんでこない。
しかし、である。発売後、すぐに注文が殺到。トヨタ自動車、オムロン、吉野家、ロイヤルホストなど、誰もが一度は耳にしたことがある企業が「コロ」を導入しているのだ。地味な動作……失礼、シンプルな動作は海を越えても話題になっていて、海外企業からも「I need a CORO!」という声が届いている。想定以上の反響が続いていて、現在の在庫はゼロ(8月現在)。工場ではフル稼働で生産しているが、数カ月待ちの状況が続いている。
繰り返し申し上げるが、「コロ」の特徴は手先が伸びて縮むだけである。複雑な動きはしないし、しゃべりもしないし、歩きもしない。いまさら感たっぷりの動きしかしないので、読者の中には「オレでもつくれるんじゃねえのか」と感じた人もいるだろう。そのように感じさせられるのに、なぜこれまでなかったのか。その理由について、ライフロボティクスの尹祐根(ゆん・うぐん)社長に聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。
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