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マニュアル通りなのに……コンビニでミスが起きるワケコンビニ探偵! 調査報告書(2/4 ページ)

居酒屋チェーンの「鳥貴族」が焼酎と食品添加物アルコールを入れ間違えてチューハイを提供していたと発表した。マニュアル通りにやっていてもミスが生じることはある。今回は、コンビニ運営マニュアルの実態について紹介しよう。

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「作業マニュアル」と「操作マニュアル」は似て非なるモノ

 レジの操作において、マニュアル通りに操作をすれば壊れたりすることはまずない。操作した通りに商品と金額が入力され、買い物合計金額がはじき出される。

 ただ、レジでは「お金の受け渡し」という手順がある。最新のレジはお客さんから受け取ったお金を入れればおつりが自動で出てくるが、今でも大半を占めるのが手入力、手作業によるものだ。

 例えば、568円の会計に対しお客さんから1000円を預かったとする。間違いなく入力すれば432円のおつりだ。しかし、アルバイトがやりがちなミスで、1000円を「1万円」と間違えて入力してしまうことがある。預かり金が1万円なら、おつりは9432円だ。普通なら、預かり金1000円に対しておつりが9432円と表示さた時点で間違いに気が付きそうなものだが、そのままおつりを渡してしまうケースが後を絶たない。

 そこで、作業マニュアルの登場だ。読者のみなさんは「1万円入りまーす」「5000円入りまーす」という掛け声を聞いたことがあるだろうか。その昔、1万円札も5000円札も同じ聖徳太子の絵柄だった。5000円を出しておきながら店員がレジにお金を入れた後に「おいおい、いま渡したのは1万円札だろ?」と、5000円をかすめ取るインチキを防ぐためにファストフード店が始めたことだ。お札の絵柄が変わった今でもその習慣が残っているのは、1万円と1000円という入力ミスを防ぐためだと思われる。アルバイトのミスで痛い目をみたオーナーが作業マニュアルに追加したのだろう。

 このように「操作マニュアル」とは違い、「作業マニュアル」は現場の状況に合わせて追加・変更されることが多い。ここで重要なのは、作業マニュアルの多くは省略してもコトが進むということだ。

 例えば、「1万円入りまーす」と言わなくてもお客さんは困らないし、レジ操作が止まることもない(1万円渡したのに1000円の預かりにされないかぎりは)。このように、作業マニュアルは変わる可能性があるのだ。

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