だから日本人はiPhoneを握りしめる、4つの理由:甲斐寿憲のキニナルモバイル(3/4 ページ)
9月16日に、iPhone 7/Plusが発売される。多くの人が「早く欲しい」「新しい機能を使ってみたい」と思っているだろうが、そもそもなぜ日本人はiPhoneが好きなのか。世界に目を向けると……。
日本人がiPhoneを好む理由
なぜiPhoneは日本人に人気なのだろうか。個人的に、4つの理由があると考えている。
1つ目の理由は、初期のAndroidスマートフォンの不具合や動作の遅さなどが原因で、買い替え時にiPhoneにシェアが流れたと言われている。特にそれは国産製品を好んでいた層の失望となった。現在ではAndroidスマートフォンも成熟し、不具合などはほとんど起きないが、以前のマイナスイメージに今も引きづられていると言っていいだろう。
2つ目はiPhoneのブランド力だ。一説には「世界のブランド品の40%を購入している」と言われているほど、日本人はブランド志向だ。明治以来の西洋化思想の延長上にある西洋崇拝も、日本人がブランドを好む要因の1つだという。また、日本人の国民性の1つに「横並び感覚」があり、「多くの人が愛用するモノを自分も所有し帰属したい」という感覚が強いという説もある。
Apple製品の特徴は入念なデザインで、それはパッケージからユーザーインタフェースにまで至る。その洗練されたデザイン性がiPhoneのブランドイメージを確立し、日本人のブランド志向にマッチしたということなのだろう。
3つ目の理由は日本での販売価格だ。日本では最初にiPhoneの販売に着手したソフトバンクが、販売2年目から実質価格0円で販売した。その後に取り扱いを始めたKDDIやNTTドコモもそれに追随し、実質的にiPhoneは世界的に見ても安い価格で販売を続けた(現在は解消されている)。その結果、iPhoneはユーザーの裾野を広げたといえるのだ。
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