「介護離職」をしたら、社会復帰の準備も忘れずに:マネーの達人(3/3 ページ)
一般的に、介護の平均期間は13年程度といわれています。今回は、介護離職をしても社会復帰で行き詰らないコツを紹介します。
企業の支援制度は積極的に利用する
勤めている企業に介護休暇や介護休業の制度があれば、積極的に利用することをおすすめします。実際、制度はあっても「誰も利用していないから……」と、介護離職を選んでしまう人も少なくありません。
あなたが勇気をもって制度を利用すれば、次の人が利用しやすくなります。今後はさらに高齢化が進み、介護のために離職しなくてはならない人が増えるでしょう。
人員確保のため、企業が「介護休暇を利用してほしい」と提案してくる時代が来ると言ってもいいでしょう。制度が設けられている以上利用する権利がありますから、上司や担当者に確認して有効に利用しましょう。
介護に関する資格を取得する
「毎日、介護に追われていたらそんな時間はない」と思う人もいますが、自分のことも介護の一部と考えて、一緒にやりくりするクセを身に付けましょう。
目指すものがあれば、介護の用事を1つ減らすなど、臨機応変に取り入れて良いのです。介護の経験者になるわけですから、それに関する資格や保険を勉強して、介護の事務職に就くという選択肢もあるのです。
介護離職をすると「介護中心の生活」と思いがちですが、決してそうではありません。介護される側も、すべての時間を自分に費やしてほしいとは望んでいないものです。
利用できる制度は積極的に利用して、ときには専門のスタッフにアドバイスをもらいながら、自分の時間も大切にしましょう。生き生きとしていると、良い介護につながります。自分の時間もおろそかにしないことが、介護離職で行き詰らない一番のコツと言えるでしょう。(佐々木政子)
著者プロフィール:
佐々木政子
ケアマネージャーを7年経験し、現在は現役で老人ホームの施設長を務める介護のプロ。女性ならではの目線も入れながら、介護に悩み困り不安を持つ皆さまにお役立ち情報を提供していきます。わが家の親も要介護者です。同じ目線で不安と戦っていきましょう!
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