日本の「顧客主義」は「ボンドカー」のアストンマーチンを救えるのか:来週話題になるハナシ(3/4 ページ)
ジェームズ・ボンドが愛用するクルマ「ボンドカー」として有名なアストンマーチンが、再び注目されている。何度も倒産危機に追い込まれた同社のCEOに就任したアンディ・パーマーは、日産自動車でゴーンCEOの右腕として活躍。新天地でパーマーCEOはどのような手を打ってきたのか。
顧客をきちんと意識することが大事
近年のアストンマーチンは、販売数の減少からあまり業績が芳しくない。そんな中の2014年10月、パーマー氏が鳴り物入りで同社のCEOに就任した。
パーマー氏はアストンマーチンの今後100年を見据えている。
同氏は日産時代、日本に12年滞在していた経験があり、ラグジュアリーブランドに必要な顧客対応を日本で学んだと語っている。日本が得意とする、顧客を満足させるホスピタリティ、つまり顧客主義である。クルマのデザインにおいても、顧客をきちんと意識することが大事だと述べている。
そんな日本ともゆかりのあるパーマー氏が、同社をどう救済していくのかが今、注目されている。
実は、アストンマーチンの魅力は、伝統や格式、デザイン性のほかにもある。スーパーカー並みのスペックを備えていることだ。だがほかのメーカーとは違い、モータースポーツでの実績がないため、マシンとしての実力は意外と知られていなかった。
そこで同社は2016年7月に、F1チームのレッドブル・レーシングと技術提供し、公道走行可能なバージョンとサーキット専用の2タイプのハイパーカーを製作することを発表した。あまり浸透していないマシンとしての“実力”を主張していくためだ。
パーマー氏はこの新たな試みを「最高レベルのロードカーとレーシングカーを融合する究極のコラボレーション」と表現している。その革新的なハイパーカー「AM-RB 001」は150台ほど製造予定で、業界内で攻めの姿勢に転じていると評されている。
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