日本の「顧客主義」は「ボンドカー」のアストンマーチンを救えるのか:来週話題になるハナシ(4/4 ページ)
ジェームズ・ボンドが愛用するクルマ「ボンドカー」として有名なアストンマーチンが、再び注目されている。何度も倒産危機に追い込まれた同社のCEOに就任したアンディ・パーマーは、日産自動車でゴーンCEOの右腕として活躍。新天地でパーマーCEOはどのような手を打ってきたのか。
日本仕込みのパーマー氏の手腕
また、アストンマーチンは、既存の顧客以外にも積極的にアピールをしようとしている。同社のクルマを身近に感じてもらうべく、2016年9月には、ロンドン中心街のメイフェア地区に、世界初となるブランド・ストアをオープンした。そのショップでは、アストンマーチンの世界観を投影したラグジュアリーでデザイン性に富んだパートナーブランドの製品が販売されている。
ちなみに、同社の販売台数は、米国に次ぎ日本が2番目に多い。しかし、まだまだ認知度が足りない日本で、今後どのようにブランドが展開していくのか興味深いところだ。
日本で培った顧客主義をアストンマーチンの今後100年にどう生かすのか。不死身のジェームズ・ボンドを生かすも殺すも、日本仕込みのパーマー氏の手腕にかかっているようだ。
著者プロフィール:
藤井薫(ふじい・かおる)
大学を卒業後、広告代理店や出版社を経てライターに。
『POPEYE』『an・an』(マガジンハウス)や『GLAMOROUS(グラマラス)』(講談社)などで、ファッション、ビューティ、ビジネスなど幅広い記事をカバー。日本と海外を頻繁に行き来して、海外トレンドを中心に情報発信している。
そんな思いをベースに、世界の企業動向や経営哲学をはじめ、それをとりまくカルチャーやトレンドなどを中心にして、思わず誰かに言いたくなるようなネタを提供していくコラムです。
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