“男性の職場”で女性は活躍できるのか? 「女性が強い会社ランキング」1位企業が実践する働き方(2/3 ページ)
どうすれば女性が働きやすくなるのか、どこに注力すれば女性が働き続けられるのか――。「長時間労働」と「キャリアモデル」を解決する働き方を、「女性が強い会社ランキング」1位企業であるボルテージの副会長が語った。
2つの課題をいかにして解決するか?
同社はこれら2つの課題をいかにして克服しようとしているのか。
長時間労働に対する解消策として掲げるのは、フレックス勤務だ。単純に「残業ゼロ」といった目標を定めると、「プライベートよりも仕事を優先してバリバリ働きたい」といった社員の気持ちを削ぐことにもなりうる。ある程度コアタイムは決めつつ、子育て中であれば朝型に、プライベートよりも仕事をしたい期間であれば夜型に――と、自身で働き方の選択ができるようにする。
同時に、米サンフランシスコスタジオ立ち上げ時のノウハウを生かし、「量より質」「ツールの活用」「テレワーク」などの考え方の浸透も進める。
キャリアモデルについては、まず「仕事と出産・育児の両立は不可能なのではないか」という不安を解消する。
「世の中の制度は女性に対応できていない。子育て社員への『優しさの勘違い』にならない制度を作っていく必要がある」(東さん)
同社で実際に活用され、好評なのは「早期復帰支援金」制度。育児休業は基本的に12カ月だが、「早く仕事に戻りたい」という意見が多数寄せられていたという。そこで、育児休業給付がなくなる分、10カ月未満で復帰した場合は月給2カ月分の支援金を支給するようにしたところ、利用者が相次いだ。
さらに、「サブステ制度(役職代理)」も取り入れる。管理職が育児や介護などで休業する場合、単純に部下をそのポストに昇進させてしまうと、休業から復帰した際に“戻ってくる場所”がなくなってしまうという悩みもある。そこで、代理の担当者を立てるサブステ制度を活用することで、有能な管理職も安心して休みを取ることができる上、代理の担当者も短期間リーダーの経験を積むこともできるという。
女性部下のモチベーションを上げるためには?
「頑張っている優秀な女性社員がモチベーション低下で辞めてしまう」という悩みを持つ企業は多い。そのための対応策にはどのようなものがあるだろうか。
「男性社会において作られた“出世”のイメージを変えることが必要」(東さん)
多くの企業は、給料のモデルを「基本給+役職手当」で作っている。「女性管理職が社内で少ない」「自分より上の世代がまだ管理職になっておらず“上が詰まっている”ように見える」「育児や介護などで、管理職を目指すことが難しい」という思いを抱いている女性社員は、その企業内で昇給(出世)することを諦め、場合によっては転職・退職してしまう。
そうした事態を防ぐために、昇給の仕組みを2軸にする。「役職手当(管理職になると付く)」と「職能手当(スキルが伸びると付く)」などを用意する。「管理職になれなくても、エキスパートになることで昇給できる」というルートを用意すれば、モチベーションは下がりにくい。
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