米コカ・コーラとGMの、最先端ビジネス事情:Dreamforce 2016(2/2 ページ)
海外大企業はどのようにITツールをビジネスに活用しているのか。米Salesforce.comの年次イベント「Dreamforce 2016」では、先駆的な企業の取り組みを知ることができる。北米Coca-ColaとGMは、何を目指してITを使っているのだろうか。
GMの事例:望むものを、望むタイミングで
GM(ゼネラルモーターズ)が展開するブランドであるシボレーも、ITツールを活用している。米国のもう1つの大きなトレンドは「パーソナライズ」だ。ユーザーをセグメントに分けてターゲッティングしていくだけではなく、より詳しく、個々人の好みに合わせて変わっていくことが求められている。
GMが展開しようと考えているのは“位置情報を利用したサービス”と“車内広告”だ。車内のディスプレイにはナビと一緒に、ホテル情報や飲食店情報が表示される。運転しながらそれを選択していくと、車の中にいながらにしてホテル予約や食事の注文ができる。
出てくる広告は、運転者の好みや行動を学習、予測する。理想としているのはドライバーが望んでいるものが望むであろうタイミングに出てくること。広告付きの車のモデルに「高級車を買っているのに広告が出てくるのはいかがなものか」と考えているユーザーは多いかもしれないが、GMは「このモデルに賛同したユーザーに対してのみ実施し、また望むものしか出さないので、ユーザーにとっての利益になる」との姿勢だ。オーナーやB2B顧客とのやりとりをするシステム構築には、Salesforceの製品を利用している。
ちなみに、ディスプレイを見ながらの運転に危険はないのだろうか。GMは「ユーザビリティテストを行い、運転の邪魔になるようなものは入れていない」とアピールするが、正直なところ、ディスプレイが下部にあるため若干確認はしづらそうだ。恐らく、GMが他方で進めている自動運転技術と組み合わせた時に、より大きなシナジーを生み出すのだろう。
「GMはデータに価値があると考えている。車のオーナーとの関係を構築し、1対1(1 to 1)の関係を作り上げたい」(GMマーケティング部長リック・ラスキン氏)
Salesforceは、Dreamforceのさまざまな講演で「お客様との関係を大事にする」と繰り返す。こうした“先駆者”企業の事例を紹介することは、Salesforce製品の魅力をアピールするだけでなく、Salesforceの“顧客文化”の形成にも役立っている。
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