トヨタ生産方式とIoTの融合で現場に何が起きたのか(1/2 ページ)
トヨタはトヨタ生産方式にIoTを融合することで実績を積み重ねている。その先に目指すのは、常に現場のカイゼンを進めることができる人材育成だ。トヨタ自動車の未来創生センター統括、磯部利行常務理事は、同社のIoT活用の取り組みについて講演した。
「かんばん」「ジャストインタイム」などで知られるトヨタ生産方式。いま、これにIoT(モノのインターネット)を融合し、さらなる効率向上を引き出しつつあるという。その肝は単なる効率化ではない、現場を動かず人材の成長にある──。
名高いトヨタ生産方式に最新のIoTを組み合わせることで何が起きたのか。トヨタ自動車の未来創生センター統括、磯部利行常務理事は、「ITpro EXPO 2016」(10月19〜21日、主催:日経BP)で同社が取り組むIoT活用について語った。
現場の社員が常に“カイゼン”
1950年ごろ、生産性の高い設備を持つ欧米のクルマメーカーに負けない競争力を作るためにできたトヨタ生産方式は、「にんべんの付いた自働化」と「ジャストインタイム」の2つに分けられる。
「自働化」は、機械が生産工程で異常を検知し、自動停止する仕組みにより不良品を作らず、生産性を向上させること。「ジャストインタイム」は、「必要なものを、必要な時に、必要なだけ」生産すること。
この2つの生産方式の根底には、社員が常に現場の“カイゼン”に取り組むことで人材を育てていくという目的があり「トヨタ生産方式にIoTを融合させることで、社員の成長を促進する効果に期待している」という。
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