活躍できる職場をAIがレコメンド 人事業務の最適化で「輝ける人を増やす」:【総力特集】人とAIの共存で進化する「おもてなし」(2/3 ページ)
採用活動、人事配置などの人事業務は属人的な判断に頼る部分が多く、まだまだ合理化されていない領域の1つだ。そのような中、人事業務にテクノロジーを掛け合わせた「HRテック」(Human Resource Technology)と呼ばれる取り組みが本格化しつつある。
採用活動の工数を削減 その後の評価も見える化
今日の人事が抱えている課題について竹内氏は「日本だけに限ったことではないが、人事業務の中でも、特に採用や人事配置は泥臭くて、人間味があふれており、属人的になっている」と語る。
「例えば採用業務では1次面接から内定、入社まで多くの人とコミュニケーションを取るため、膨大な時間がかかっている。機械に任せられる(判断できる)ところは任せて工数を減らす、業務効率化が人事業務にも求められている」(竹内氏)
HRMOSでは、面接を受ける求職者の基本的な経歴に加え、面接時の受け答えの中から自然言語処理技術で100種類以上のキーワード群に分けて求職者のタイプを分類する。そして、過去の採用(面接)データをAIに学習させることによって、内定獲得に至る可能性の低い人(タイプ)を弾き“不要な面接”を減らす。
例えば、過去の統計データから「Aタイプ、Bタイプは内定を取れる可能性が高い」「Cのタイプは不合格になりやすい」「Dタイプは過去に1度も最終面接まで行けていない」――といった具合にAIが一次選考のタイミングで合格率を導き出す。次の面接に通すべきではない人(合格の可能性0%など)に対してフィルターをかけることで工数(面接回数)の削減し、採用にかける時間をより効率化していくのだ。
もちろん採用データだけでなく、「そのタイプが配属後にどう評価されたのか」というデータもAIに学習させて、採用すべき人材を絞り込んでいく。「採用して終わりではなく、その採用が正しかったのかどうかきちんとPDCAを回していく必要がある」(竹内氏)
「こうしたデータ活用がより普及していくことによって、ハローワークなど、会社を紹介する立場の機関は、その人が合格しやすい会社を紹介出来るようになる。採用側だけでなく、求職者にもメリットがある」(竹内氏)
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