記録的な炎上の年――2016年の謝罪成功者は?(1/3 ページ)
年明け早々、芸能人謝罪会見で始まった2016年。その後も有名人による会見が相次ぎました。なぜ謝罪に注目が集まったのか、その背景と謝罪に「成功」した人は誰なのかを考えてみましょう。
著者プロフィール:
増沢隆太(ますざわ・りゅうた)
株式会社RMロンドンパートナーズ代表取締役。キャリアとコミュニケーションの専門家として、芸能人や政治家の謝罪会見などをコミュニケーションや危機管理の視点で、テレビ、ラジオ、新聞等において解説している。大学や企業でのキャリア開発やコミュニケーション講座を全国で展開中。著書「謝罪の作法」他多数。
年明け早々から芸能人謝罪会見で始まった2016年。その後も有名人による謝罪会見が相次ぎました。なぜ謝罪に注目が集まったのか、その背景と謝罪に「成功」した人は誰なのか、考えてみましょう。
2016年、謝罪の成功者は?
私は組織の危機管理とコミュニケーション戦略の視点で謝罪対応に取り組んできましたが、その目指すところは明確です。組織の危機を回避あるいは低減することです。これはこのまま芸能人など個人でも当てはまります。謝罪のゴールをどうとらえたかがその成否を分けるのです。
2016年、謝罪会見が多かったと感じる方は少なくないと思いますが、では一番成功した人はだれか、すぐ思い浮かぶでしょうか?
謝罪会見を開いても、すぐに思い浮かばれることのなかった人こそが成功者だといえるでしょう。たくさんの謝罪会見がありましたが、今でも思い浮かぶ人と、そんなことがあったっけ程度に、言われなければ思い出さないような人と、同じ謝罪でも見事に二つに分かれるのです。
謝罪を行う前提に、スキャンダルなど何らかのネガティブ要因があります。少なくとも今年、謝罪会見をした方々は皆、自分自身でそうした要因があったことを認めています。そのネガティブ要因自体を消し去ることはできませんが、その印象を薄められるかどうかが、危機管理としての謝罪だと考えます。つまり謝罪していたことを忘れられてしまった、思い出されなくなった人こそ、謝罪の成功者なのです。
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