ロードスターが高く評価されるワケ:高井尚之が探るヒットの裏側(1/4 ページ)
ジャーナリスト・経営コンサルタントの高井尚之氏が、人気企業・人気商品の裏側を解説する連載。今回はこの4年で3度「日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞したマツダのクルマづくりを読み解く。
高井 尚之(たかい・なおゆき/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント)
日本実業出版社の編集者、花王の情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。出版社とメーカーでの組織人経験を生かし、大企業・中小企業の経営者や幹部の取材をし続ける。足で稼いだ企業事例の本音の分析は、講演・セミナーでも好評を博す。
「なぜ、コメダ珈琲店はいつも行列なのか?―「お客が長居する」のに儲かるコメダのひみつ」(プレジデント社)、「カフェと日本人」(講談社現代新書)、「セシルマクビー 感性の方程式」(日本実業出版社)、「『解』は己の中にあり」(講談社)、「なぜ『高くても売れる』のか」(文藝春秋)、「日本カフェ興亡記」(日本経済新聞出版社)など著書多数。 E-Mail:takai.n.k2@gmail.com
2015〜2016年にかけてマツダの「ロードスター」が「日本カー・オブ・ザ・イヤー」と「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」のダブル受賞を果たした。特に日本カー・オブ・ザ・イヤーはこの4年で3度の受賞と、他の競合メーカーを圧倒している。
また、最近の業績は為替の影響もあり不調だが、2012年3月期の赤字決算からV字回復を果たして以来、売上高・営業利益とも4年連続で右肩上がり。昨年度はグローバル販売台数も150万台を突破した。
トヨタ自動車の8分の1の売上規模で、かつては米Ford Motorの経営支援を受けた会社が、なぜこれほど人気車種を次々に生み出せるようになったのか。マツダのクルマづくり全体の視点をもとに考えてみたい。
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