コラム
なぜ、公務員の給与だけ引き上げられるのか?:マネーの達人(4/4 ページ)
民間企業の給与は、前年度より下がることは珍しくない時代になりました。今回は、公務員の給与が上がる仕組みをご紹介します。
官民の給与の格差解消を妨げる企業の内部留保の蓄積
財務省が平成28年9月1日に発表した「法人企業統計」によると、企業が蓄えた「内部留保」に当たる利益剰余金が、金融・保険業を除く全産業で過去最高の377兆8689億円に達したそうです。また、前年度に比べて6.6%(約23兆円)増えており、10年前と比べると2倍近く増えています。
これを受け、政府関係者からは「内部留保を蓄えるより設備投資や賃上げにもっと資金を回して欲しい」という発言が相次ぎました。
こうした事情があるため、官民の給与の格差を解消するには、公務員の給与の高さを批判するだけでなく、労働者側からも企業に対して内部留保を蓄えずに賃上げに回して欲しいと要求すべきだと思うのです。(木村公司)
著者プロフィール:
木村公司
1975年生まれ。大学卒業後地元のドラッグストアーのチェーン店に就職。その時に薬剤師や社会福祉士の同僚から、資格を活用して働くことの意義を学び、一念発起して社会保険労務士の資格を取得。その後は社会保険労務士事務所や一般企業の人事総務部に転職して、給与計算や社会保険事務の実務を学ぶ。現在は自分年金評論家の「FPきむ」として、年金や保険などをテーマした執筆活動を行う。
保有資格:社会保険労務士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー2級、年金アドバイザー2級、証券外務員二種、ビジネス実務法務検定2級、メンタルヘルス・マネジメント検定II種
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