フリーターは400円、正社員は5000円で、老後の備えを始めよう:マネーの達人(1/4 ページ)
今回は、正社員と非正規社員の各種社会保険の加入率を比較しながら、将来受け取る年金について考えてみましょう。
先日、ネットのニュースで中年フリーターの問題を取り上げた記事が掲載されていました。この中で最も興味深かったのは、正社員とフリーターなどの非正規社員の社会保険の加入率を比較したものでした。具体的なデータは、以下になります。
- 雇用保険の加入率:非正規社員65.2%、正社員99.5%
- 健康保険の加入率:非正規社員52.8%、正社員99.5%
- 厚生年金の加入率:非正規社員51.0%、正社員99.5%
非正規社員の各種保険への加入率は「雇用保険>健康保険>厚生年金」となっており、いずれも正社員より低い数値となっています。
具体的には「1週間当たりの所定労働時間が20時間以上」になると、従業員を雇用保険に加入させる必要があります。また「1カ月の所定労働日数及び1日の所定労働時間が、正社員のおおむね4分の3を上回る」と、従業員を健康保険や厚生年金に加入させる必要があります。
従業員がこれらの社会保険に加入する場合、事業主は原則として従業員が納付する保険料と同額を拠出しなければなりません。例えば、給与から社会保険料として1万円が控除されている場合、事業主は同額の1万円を拠出して合わせて2万円を日本年金機構などに納付します。
健康保険や厚生年金の保険料は雇用保険と比べて高く事業主の負担が大きくなるため、多くの事業主は非正規社員については雇用保険には加入してもらうけれど、健康保険や厚生年金にはあまり加入させたくないと考えるのです。
例えば、正社員の所定労働時間が1日8時間ならば、1日6時間以上が正社員のおおむね4分の3を上回る時間です。つまり、週5日働く場合、1週間当たりの所定労働時間を20時間以上30時間未満なら、「雇用保険には加入するけれど健康保険や厚生年金には加入しない」ということになります。
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