コラム
フリーターは400円、正社員は5000円で、老後の備えを始めよう:マネーの達人(2/4 ページ)
今回は、正社員と非正規社員の各種社会保険の加入率を比較しながら、将来受け取る年金について考えてみましょう。
老齢基礎年金しかない中年フリーター
ご存じの通り、平成28年10月1日から以下の条件を満たすと健康保険や厚生年金に加入する必要があります。
- 1週間の所定労働時間が20時間以上
- 給与の月額が8万8000円以上(年収に換算すると106万円以上)
- 勤務期間が1年以上
- 学生でないこと
- 従業員数が501人以上の企業に勤務していること
このうちの「1週間の所定労働時間が20時間以上」は、雇用保険に加入する必要のある所定労働時間と同じですが、雇用保険の加入者の全員が健康保険や厚生年金に加入したとしても、それは65.2%にすぎません。厚生年金に加入できない人は、国民年金に加入して自分で保険料を納付します。
20歳から60歳までの間、欠かすことなく国民年金の保険料を納付しても、原則65歳から支給される老齢基礎年金の年間支給額は78万100円(平成27年度額)にしかなりません。これを12で割ると月々約6万5008円ですから、これでは普通に生活していくだけでも大変です。
これが、中年フリーターが受給する年金の一番の問題だと思います。
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