2つの駅がある蒲田は、どんな街なのか?:○○駅の拠点力(蒲田編)(4/4 ページ)
映画『シン・ゴジラ』でゴジラが最初に上陸したのは蒲田だった――。地名を聞いたことがある人は多いと思うが、どんなところなのか。商業施設が充実していて……。
商店街の街、蒲田
京急蒲田駅から蒲田駅に向かうために、バスに乗ってみた。7分から8分に1本程度あるため、バスとしては待たずに乗れる。現金ならば100円で乗ることが可能だ。時間も、それほどかからない。
この両駅を結ぶ「蒲蒲線計画」というものがある。2016年に国土交通省の交通政策審議会が出した答申にも記載され、地元では早期の建設開始に期待の声が高まっている。
もしこの蒲蒲線計画が実現すれば、2つの蒲田駅の拠点性はぐっと高まることになる。ただ、実現まではしばらく時間がかかりそうだ。
それまでは、バスを使用しよう。蒲田駅から京急蒲田駅は1キロもなく、かつバスの本数も多い。もし空港に行きたければ、蒲田駅からなら直行のバスもある。1時間に2本程度だ。
京急蒲田駅と蒲田駅が結ばれていないという弱点を、バスが補完し、空港アクセスまで確保されている。
蒲蒲線ができれば、蒲田の拠点性はもっと高まるといえよう。
以前、蒲蒲線について取材した際、ある人は「蒲蒲線ができたら、蒲田に東海道線が停まるようになるかもしれない」と言っていたが、これは難しいだろう。しかし、蒲田の拠点性を高めるために何が必要かを示す、重要な言葉である。
そんな蒲田には商店街が多くある。京急蒲田駅から蒲田駅の間にもあれば、蒲田駅より西側にも大きな商店街がある。それぞれの駅に商業施設や駅前スーパーがあるだけでなく、その他にも店が多く、買い物には苦労しない。交通の便も悪くなく、生活にも不便ではない。
一般に、蒲田という街は庶民的な街として考えられている。だが交通の便がよく、商業施設の充実した街の常として、家賃はやや高めである。
蒲田は、暮らしやすそうな街である。生活のための都会として、十分な機能を持っている。
著者プロフィール:小林拓矢(こばやし・たくや)
1979年山梨県甲府市生まれ。早稲田大学卒。フリーライター。大学時代は鉄道研究会に在籍。鉄道・時事その他について執筆。単著『早大を出た僕が入った3つの企業は、すべてブラックでした』(講談社)、共著に首都圏鉄道路線研究会『沿線格差 首都圏鉄道路線の知られざる通信簿』(SB新書)、ニッポン鉄道旅行研究会『週末鉄道旅行』(宝島社新書)。
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