2016年は誰が手にした? ノーベル平和賞なんていらない理由:世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)
2016年のノーベル平和賞、誰が受賞したのかご存じだろうか。答えは、コロンビアのサントス大統領。名前を聞いてもピンとこない人が多いだろうが、そもそもなぜ彼が賞を取れたのか、疑問の声が多い。なぜなら……。
世界を読み解くニュース・サロン:
今知るべき国際情勢ニュースをピックアップし、少し斜めから分かりやすく解説。国際情勢などというと堅苦しく遠い世界の出来事という印象があるが、ますますグローバル化する世界では、外交から政治、スポーツやエンタメまでが複雑に絡み合い、日本をも巻き込んだ世界秩序を形成している。
欧州ではかつて知的な社交場を“サロン”と呼んだが、これを読めば国際ニュースを読み解くためのさまざまな側面が見えて来るサロン的なコラムを目指す。
2016年のノーベル賞が大きな騒動になったのは記憶に新しい。文学賞に選ばれた米歌手のボブ・ディランが受賞から音信不通になっていたことで、その動向に注目が集まった。
結局、ディランは2週間ほどして沈黙を破り、何もなかったかのように感謝の意を述べた。英メディアから電話に出なかった理由を聞かれたディランは、「私はここにいるんだけどねえ」と、本人に電話が届いていなかったかのように答えている。
そんな騒動が印象的だった2016年のノーベル賞だったが、「ノーベル平和賞」を受賞したのは誰かご存じだろうか。南米コロンビアのフアン・マヌエル・サントス大統領(参照リンク)である。名前を聞いてもピンとこない人が多いと思われるが、そもそも「この人がなぜノーベル平和賞を取れたのか分からない」という指摘が出ている。
サントスが平和賞を受賞をした背景はこうだ。11月13日、時事通信は「コロンビア政府と国内最大の左翼ゲリラ組織コロンビア革命軍(FARC)は(11月)12日、内戦終結を目指す新たな和平案で合意したと発表した」と報じた。サントスは、このニュースに至る経緯で、平和賞に選ばれたのである。
これだけではよく分からないので、時をさかのぼって簡単に説明したい。コロンビアでは、1964年からFARCと政府の内戦が半世紀以上にわたって続いてきた。これまで22万人が殺害され、数え切れない人たちが家を追われた。
関連記事
- 夫の不貞に耐えたのに、ヒラリーの悲しき末路
2016年の米大統領選が終わった。1年半にわたって繰り広げられた大統領選は、大方の予想に反して、不動産王のドナルド・トランプが大統領に選ばれた。トンデモ大統領が誕生するわけだが、ひとつ気になることがある。それは敗北したヒラリー・クリントンと夫であるビル・クリントン元大統領との関係だ。 - 日本人、それってオカシイよ 「過労死」を生む日本企業の“常識”
過労死の問題が話題になっている。この問題に対して、海外メディアはどのように報じているのか。「労働時間」「残業」「休暇の取得」などは常識の範囲内で行っているつもりかもしれないが、外国人からは“非常識”に映っているようだ。 - 中国政府がいま最も恐れているのは、ネット上の「くまのプーさん」
中国共産党がネット上の検閲に力を入れている。いわゆる「サイバーポリス」と呼ばれる工作員が反政府的な発言などをチェックしているが、2015年に最も削除された発言は……。 - 日本人が知らない医療大麻の「不都合な真実」
元女優の高樹沙耶容疑者が大麻取締法違反の疑いで逮捕された。容疑者が医療大麻を推進していたこともあって、医療従事者などが「医療大麻ってものはない」「(医療大麻は)必要ない」などとコメントしていたが、本当にそうなのか。世界に目を向けると、ちょっと違うようだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.