コンビニ「Amazon GO」になれるのか:コンビニ探偵! 調査報告書(2/3 ページ)
米Amazonが、レジ決済を必要としない店舗「Amazon GO」を2017年に開始すると発表した。今回は、Amazon Goのシステムが現コンビニに導入されたらどうなるかを考えてみたい。
レジをなくせば人件費を削減できるのか
万引き防止のほかにコンビニ関係者が注目しているのは「レジ不要=人件費削減」という点だろう。コンビニオーナーにとって、人件費の削減はかなり魅力的なポイントだ。
動画を見るかぎり、従業員と接触するシーンはない。「レジ不要=人件費削減」という方程式が頭に浮かぶが、コンビニの仕事にはレジ業務のほかに、商品の陳列や清掃、発注など、多岐にわたる。レジ業務は多くの仕事の1つでしかないのだ。
発注業務は技術革新によりいずれ自動化されるだろう。現時点でも、販売数と在庫数を打ち込めば発注数量が自動的に決まるようになっている。しかし、商品の入れ替え作業や仕入れる商品の決定は人の判断で行っている。
以前の記事「コンビニの棚を拡大中の「洗剤」、縮小しているのは?」でも書いたが、コンビニは新商品を積極的に仕入れ、売れるかどうかを検証している。新商品と従来品の入れ替えまでを自動化するには、さらなる技術革新が必要だ。
仮に、Amazon GOのシステムだけが現コンビニに導入されたとしても、実店舗である以上、商品の陳列や清掃業務を行う従業員は必要である。商品の陳列と清掃が自動化されない限り、大幅な人件費削減にはならないだろう。
ただ、人手不足やストレスの解消にはなると筆者は考えている。レジがなければ、接客が必要な場面は大幅に減る。今まで接客に充てていた時間でほかの仕事ができる。また、店長はアルバイトが入るたびにレジでの複雑な業務を教えなくていいので、新人トレーニングに時間をかけずにすむ。これがなくなるだけでも、店長やアルバイトにかかるストレスは軽くなる。労働環境は大きく変化することだろう。
お客さんもしかり。レジが空いていればさほどストレスを感じないが、混雑時には商品1つ買うだけでも列に並ばなければならない。退店と同時に決済が完了するなら、そうしたストレスからも解放されるのだ。
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