プーチン大統領を抱き込むのに「柔道外交」はどうか:赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)
ロシアのプーチン大統領が来日した。安倍首相と「領土問題」などを議論したわけだが、友好な関係を築くにはどうすればいいのか。プーチン大統領が13歳のころから熱中していた「柔道」を生かしてみては……。
臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:
国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。
野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。
安倍晋三首相が12月15日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と山口県長門市の温泉旅館で会談した。プーチン大統領の来日が約2時間遅れたことで日本側の一部には当初ピリついたムードも漂ったが、それでも会談そのものは終始落ち着いた雰囲気の中で行われたようだ。
首相は同日、記者団に対して北方領土問題を含む平和条約締結交渉や北方領土での「特別な制度の下での共同経済活動」について協議したことを表明。その北方領土においてはロシアの完全な主権下ではなく、日本人に特別な法的立場を容認する中での経済活動を実現することを主張した模様だ。
翌16日には会談の舞台を東京に移し、さらに突っ込んだ議論が行われることが予想される。残念ながら今回の会談で領土問題の大きな進展があることは非常に考えにくいが、それでも何らかの前進は安倍首相に成果として出してほしいところだ。
さて、以前から何度も顔を合わせて会談を行っている両者は互いに「ウラジーミル」「晋三」とファーストネームで呼び合う関係を築き上げていることは有名な話。しかしその安倍首相と友好的な関係を築く前から、もともとプーチン大統領が日本を意識するきっかけとなったことがある。13歳のころから熱中していた柔道だ。
少年時代はケンカばかりに明け暮れ、校則もロクに守ろうとしないなど、いわゆる周囲の手を焼かせるような「超不良少年」で問題ばかり起こしていたが、柔道と出会って更生の道が開けたと述懐している。
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