プーチン大統領を抱き込むのに「柔道外交」はどうか:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
ロシアのプーチン大統領が来日した。安倍首相と「領土問題」などを議論したわけだが、友好な関係を築くにはどうすればいいのか。プーチン大統領が13歳のころから熱中していた「柔道」を生かしてみては……。
プーチンは柔道の「達人」
1976年には生まれたプーチン大統領は、故郷のレニングラード市(現サンクトペテルブルク市)の柔道選手権で優勝するなど輝かしい経歴を誇り、黒帯も取得した。政治家の道を歩んでからも時間を見つけては畳の上での稽古を怠っておらず、現在の段位も8段で立派な達人の域だ。
ロシアの国家元首となってからも柔道本を出版し、国内の柔道普及に務めている。日本柔道の父と呼ばれる嘉納治五郎やロサンゼルス五輪金メダリストの山下泰裕を尊敬していると公言するほど。それを象徴するかのようについ先日、来日直前にクレムリンで日本テレビと読売新聞の合同インタビューに応じた際のテレビ映像(日テレのニュース番組『NEWS ZERO』などでオンエアされたもの)の中には興味深いシーンも見られた。
第2代大統領時代(現在は第4代同職)の2005年9月に首脳会談を行うため来日したプーチン氏は、そのスケジュールの最中において柔道の総本山である東京・講道館を訪問。当時そこに居合わせたのが山下氏で、両者の交友関係はここからスタートした。その山下氏がプーチン大統領について語る映像が日本テレビ側のインタビューアによって本人に見せられたのである。山下氏の発言内容は次のようなものだった。
「冷徹な部分もあるけれども、しかしその裏に熱い血が通っているんじゃないかと。何と言ってもロシアの国益を最優先にするリーダーですから、柔道が好きだとか日本に対する興味関心があるからといって、日本有利に物事を進めてくれるということは考えないほうがいいんじゃないかと思っていますけれど」
この映像を見せられたプーチン大統領はそれまでの険しい顔から一転して柔和な表情となり、とても嬉しそうにうなずきながらこのように感想を述べていた。
「とてもうれしく思います。山下さんは日本だけではなく、世界中で達人として知られていますから」
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