新横綱は本当に大丈夫なのか 3月の不安:赤坂8丁目発 スポーツ246(3/3 ページ)
大相撲初場所で初優勝した大関稀勢の里の横綱昇進が決まった。19年ぶりの日本出身横綱が誕生することになるが、この決定に疑問を感じた人も多いのでは。これまでの成績を考えれば「大甘昇進」とも言え……。
再び主役の座を奪わなければいけない
断っておくが、筆者は稀勢の里の横綱昇進を反対しているわけではない。むしろ同じ日本人として久々に日本出身力士の横綱誕生は大歓迎だ。だが、こういう風に周りが“横綱昇進ありき”でパッパッと決めてしまうと逆に稀勢の里が気の毒に映ってしまう。必要以上の重圧を与えてしまうからだ。
上位に強いはずが、平幕相手にコロッと負ける。あるいは優勝に向けて負けられない一番になると、なぜか取りこぼす。これまではそういう“ここ一番での弱さ”を指摘され、精神面の脆(もろ)さもウィークポイントにあげられていた稀勢の里だけに、今後はすさまじいプレッシャーが重くのしかかることになるかもしれない。来場所は初優勝と横綱昇進の真価が問われる。もし結果を出せなければ、横綱昇進が甘いプロセスだったことを証明する形にもなってしまう。稀勢の里にとって、新横綱として迎える次の3月場所はいきなりの正念場となりそうだ。
だが、それでもフタを開けてみたら、やっぱり新横綱になった稀勢の里は強かった――。そういう具合に精神面でも逞(たくま)しくなった姿を土俵で見せることで、周りが先急ぐ感も見え隠れした横綱昇進が結果的には正しかったと万人を納得させてほしいと切に願う。
3月12日にエディオンアリーナ大阪で初日を迎える3月場所。まず間違いなく稀勢の里には初優勝を決めた初場所よりも重圧が重くのしかかるだろう。だが、もう後へは引けない。昇進が時期尚早ではなく、真の横綱として認められるためにも再び主役の座を奪わなければいけないのだ。そういう過酷な運命を受け入れ、覚悟を決めたであろう日本人力士の新横綱にビジネスパーソンもぜひ注目してほしい。
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