選挙ハッキングをしているのは「秘密結社」か:世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)
米国の大統領選で「ロシア政府がからんでいた」といった指摘があるが、イタリアでも大規模なサイバー攻撃が発覚している。2017年1月に容疑者が逮捕されたが、その背景に“秘密結社”の存在がちらついている。どういうことかというと……。
世界を読み解くニュース・サロン:
今知るべき国際情勢ニュースをピックアップし、少し斜めから分かりやすく解説。国際情勢などというと堅苦しく遠い世界の出来事という印象があるが、ますますグローバル化する世界では、外交から政治、スポーツやエンタメまでが複雑に絡み合い、日本をも巻き込んだ世界秩序を形成している。
欧州ではかつて知的な社交場を“サロン”と呼んだが、これを読めば国際ニュースを読み解くためのさまざまな側面が見えて来るサロン的なコラムを目指す。
内部告発サイト「ウィキリークス」で米民主党全国委員会の電子メール2万通ほどが暴露されたのは2016年7月のこと。
この暴露によって、党幹部らがヒラリー・クリントンに肩入れしていることが暴露され、全国委員長が辞任を発表する事態になった。クリントンの敗北は、このメール問題が原因のひとつだったとも言われている。
メールはロシア政府の後ろ盾があるハッカーによって盗まれたことが明らかになっている。そしてトランプ政権が発足した現在に至るまで、大統領選にロシアがサイバー攻撃で介入していたとして騒動は続いている。
こうした顛末(てんまつ)を受けて、今年重要な選挙が行われる欧州各国もロシアからのハッキングに警戒を示している。今年3月にはオランダで総選挙があり、4〜5月にはフランスの大統領選挙、5月にはWHO(世界保健機関)事務局長選、10月にはドイツでも総選挙が行われる。またイタリアでも今年の早い時期に総選挙が行われる可能性があると言われている。
そんな情勢の中、実はイタリアでも国内政治にからんだ大規模なサイバー攻撃事件が発覚している。幸いなことに、2017年1月に容疑者である姉弟2人が逮捕されたのだが、この2人は、米大統領選でのロシアのハッキングに負けず劣らず、非常に謎が多いとしてイタリアで話題になっている。というのも、犯人の背景には、“秘密結社”の存在がちらついているからだ。
陰謀論者たちが色めき立ちそうなこのサイバー事件は、いったいどんな話なのか。
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