16年の家電市場は1.5%縮小 テレビやPCの需要減:タブレットは初の前年割れ
GfKジャパンが2016年の家電・IT市場動向を発表。国内市場は前年比1.5%減の7兆円だった。
調査会社のGfKジャパンが2月21日発表した「2016年家電・IT市場動向」によると、国内家電市場規模は前年比1.5%減の7兆円だった。洗濯機やエアコンなどの生活家電は平均価格の上昇により前年を上回ったが、薄型テレビやPC・タブレット端末の需要が減少した。
家電市場全体におけるインターネット通販の販売構成比は12.1%。前年から0.5ポイント上昇した。
分類別にみると、AV市場は市場縮小が継続。薄型テレビの販売台数は15%減の490万台だった。一方、4Kテレビの販売台数は1.9倍の105万台。薄型テレビ全体に占める4Kテレビの構成比は、台数ベースで22%、金額ベースでは50%にまで拡大した。4Kテレビの販売が増えた効果で、薄型テレビの平均価格は14%増の7万3700円となり、全体の販売額は3%減にとどまった。
PCなどのIT・オフィス市場もマイナス成長が目立った。PCの販売台数は1%減の1100万台。スマートフォンなどによる代替や買い替えサイクルの長期化などにより市場縮小が続いた。タブレット端末は6%減の690万台となり、初めて前年を下回った。PCとタブレット端末を合わせた販売数量は3%減の1790万台だった。
生活家電市場は、販売数量が減少した製品もあったが、平均価格の上昇により販売額は増加した。
販売額が増加したのは洗濯機とエアコン。洗濯機の販売台数は前年並みの480万台だったが、販売額は5%増。平均価格は6万6000円となり、過去5年で最も高い水準だった。洗濯容量10キロ以上のモデルの販売台数構成比が5ポイント増の17%に拡大したことや、ドラム式の販売台数が4年ぶりに増加したことが影響した。エアコンの販売台数は3%増の790万台。販売額は5%増加した。
一方、冷蔵庫の販売台数は2%減の430万台と、ここ数年で最も低い水準だった。需要期の6〜8月に平年の販売台数を大きく下回ったことが響いた。掃除機は3%減の830万台。スティックタイプ、ロボットタイプの台数は増加したが、シリンダータイプ、ハンディータイプが減少した。
携帯電話市場は、販売台数が3%減の3010万台。総務省による端末値引きの適正化施策の影響を受け、新規契約は25%減だった。スマートフォンの販売台数は1%増で、市場全体の85%を占めた。スマートフォン販売台数におけるSIMフリースマートフォンの構成比は、5%にまで拡大した。
センサーによって心拍数や位置情報などを収集するウェアラブル端末は、5%増の120万台。なかでも、フィットネストラッカーは4%増、スポーツウォッチも19%増だった。
カメラなどのイメージング市場も縮小傾向。デジタルカメラの販売台数は25%減の380万台だった。コンパクトカメラは27%減、レンズ交換式カメラは20%減。新規購入、買い替えの需要が低下している。
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