トランプは「独裁者」になりつつあるのか:世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)
「トランプ大統領は独裁的な傾向があるのではないか」といった指摘が出ている。法の支配が確立している米国では、そう簡単に暴君が生まれることはないと思うが、トランプが“独裁者”になっていく可能性はあるのだろうか。
世界を読み解くニュース・サロン:
今知るべき国際情勢ニュースをピックアップし、少し斜めから分かりやすく解説。国際情勢などというと堅苦しく遠い世界の出来事という印象があるが、ますますグローバル化する世界では、外交から政治、スポーツやエンタメまでが複雑に絡み合い、日本をも巻き込んだ世界秩序を形成している。
欧州ではかつて知的な社交場を“サロン”と呼んだが、これを読めば国際ニュースを読み解くためのさまざまな側面が見えて来るサロン的なコラムを目指す。
北朝鮮の金正恩・第1書記、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領、トルコのレセップ・タイイップ・エルドアン大統領、スーダンのオマル・ハッサン・アハメド・バシル大統領、ジンバブエのロバート・ムガベ大統領――。彼らは近代の独裁者と呼ばれる国家のリーダーたちである。そして今、もしかしたらそこに新たな人物が加わるかもしれない。
その人物とは、米国のドナルド・トランプ米大統領である。
トランプは最近、独裁的な傾向にあるのではないかとの指摘が出ている。トランプは2月16日、就任後初めてとなる単独記者会見に臨み、そこでメディアを「嘘つき」呼ばわりし、終始メディアに敵対する姿勢を貫いた。
これを見た共和党の重鎮で元大統領候補でもあるジョン・マケイン上院議員がトランプについてこう述べた。「私たちの知る民主主義を守りたいなら、いくつもの敵対的で自由なメディアの存在が必要だ。それがなければ、長い目で見ると個人の自由はかなり失われるだろうと懸念する。独裁者たちはここから生まれていくのだ」
法の支配が確立している米国では、そう簡単に独裁者が生まれることはないだろう。だがマケインが指摘するように、トランプは独裁的な傾向にあるようにも見えなくはない。荒唐無稽にも聞こえるが、実際のところ、トランプが“独裁者”になっていく可能性はあるのだろうか。
関連記事
- 中国政府がいま最も恐れているのは、ネット上の「くまのプーさん」
中国共産党がネット上の検閲に力を入れている。いわゆる「サイバーポリス」と呼ばれる工作員が反政府的な発言などをチェックしているが、2015年に最も削除された発言は……。 - トランプの年収はなぜ1ドルなのか
米国の大統領に就任したドナルド・トランプは、どのくらいの報酬を手にするのか。仕事の対価として年間40万ドルの給料が支払われることになっているが、トランプは「年収1ドルだけ受け取る」と公言している。米国では「年収1ドル」の政治家は多く……。 - トランプ時代に“貧弱なパスポート”はどれか
トランプ大統領の「イスラム教徒の入国禁止措置」が話題になっている。イスラム教徒が多い7カ国の人たちの入国を一時的に禁止したわけだが、実はパスポートには強さのランクがあるのをご存じだろうか。強いパスポート、弱いパスポートを検証したところ、入国禁止措置の疑問点が見えてきた……。 - 日本人、それってオカシイよ 「過労死」を生む日本企業の“常識”
過労死の問題が話題になっている。この問題に対して、海外メディアはどのように報じているのか。「労働時間」「残業」「休暇の取得」などは常識の範囲内で行っているつもりかもしれないが、外国人からは“非常識”に映っているようだ。 - →yd_yamadabook.jpg,,本連載の著者、山田敏弘氏の新刊が2月28日に発売 『■http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4163905219/itmedia-makoto-22/ref=nosim/□ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する■』(文藝春秋)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.