やっぱり本田圭佑の移籍は難しい、これだけの理由:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/3 ページ)
ACミラン・本田圭佑の去就が注目されている。米メジャーリーグサッカー「シアトル・サウンダーズ」へ移籍する可能性が高まっていると報じられているが、本当に移籍できるのか。チームの思惑などが複雑にからんでいて……。
ジャパンマネーを呼び込む、おいしい商品
とはいえ、ミラン残留は本田にとってどう考えても得策ではない。ミランでの4季目はここまで出場わずか5試合でプレータイムも95分間。しかも出場したのは、試合の行方が決したゲーム終了間際での投入ばかり。2017年に入ってのリーグ戦出場はゼロと「10」番を背負うカルチャトーレ(calciatore:サッカー選手)としては異常な状態が続いている。
ヴィンチェンツォ・モンテッラ監督が若手主体のメンバー構成を貫いていることもあり、本田はベンチウォーマーが定位置となって完全に構想外となっている。今後もレギュラー陣に負傷者が出るなどチームにとって不測の事態でも起こらない限り、本田にチャンスはまず舞い込むことはないだろう。
そうなると心配されるのは試合勘がどんどん鈍っていくことだ。この点について実はシアトル側も大きな懸念を抱いており「獲得が6月以降になれば本田のパフォーマンスは今よりももっと低下して、ますます使い物にならなくなる」との見方もクラブ内から噴出し始めていると聞く。シアトル側が何とか移籍金ゼロで本田の早期獲得を実現させようと水面下で動いているのも、それが理由だ。
シルヴィオ・ベルルスコーニ会長やガリアーニCEOら旧経営陣にはCSKAモスクワを退団した本田を獲得した際、移籍金を支払っていないことから、そこまでのこだわりはないだろう。しかしながら中国グループの新経営陣は実際のところ本田を実力うんぬんではなく「ジャパンマネーを呼び込む、おいしい商品」と中途半端に評価しようとする向きがある。これがシアトル、ひいては本田にとってネックとなってしまいそうなのだ。
旧経営陣ならば話し合い次第で今すぐにでも移籍金ゼロでの本田放出を容認するだろうと見られていたが、中国式で“根こそぎ奪う”をモットーとする新経営陣にそのプランニングはなかなか望めそうもない。つまり契約があと3カ月足らずだろうが少しでも残っているならば、その満了期間までたとえ試合にはほとんど出られなくても日本でまだまだネームバリューのある本田をエサにする形で、グッズ売り上げや短期間契約のスポンサー収入などを得ようとしている。また移籍する場合はクラブにとっての収入源がその分なくなるのだから新たな獲得先が移籍金支払いによって損失補てんをすべき――という強硬な姿勢を取ろうとしているのが、新経営陣の考え方だという。
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