阪神の藤浪は、“未完の大器”で終わってしまうのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
4月4日、阪神・藤浪が投じた直球がヤクルト・畠山の左肩を直撃した。両軍ベンチから全員が飛び出し、ド派手な乱闘劇へと発展したわけだが、心配なのは藤浪である。「未来のエース」として期待されながら、このまま未完で終わってしまうのだろうか。
「エース」の称号は与えられない
昨季与えた70四球はリーグワースト。実は前年の2015年シーズンも82四球、11死球でそれぞれ同ワーストを記録しており、さらに前々年の2014年も11死球で同ワーストだった。ノーコンぶりは一向に改善されておらず、プロ1年目から10勝、11勝、14勝と3年連続で2けた勝利を飾って順当に上向かせていた白星の数もついに昨季は一昨年の半分の7勝にまで急降下。「成長どころか劣化しているんじゃないのか」との声まで聞こえてくるありさまだ。
才能はあるはず。高校時代は名門・大阪桐蔭のエースとして史上7校目の春夏連覇を達成し、球速計時で150キロ以上を連発。将来のスーパースターを約束され、2012年秋のドラフトで競合の末にくじを引き当てたタイガースへ入団した。
年俸は1億6000万円(推定)。いわゆる“高給取り”になったが、阪神球団の費用対効果から考えれば明らかに物足りない。マウンド上から漂う絶対的な安定感、オーラ――。そういう、相手打者に「今日の先発は藤浪だから打てなくても仕方がない」と思わせるようなスーパーピッチャーに必要な要素が藤浪にはまるで感じられないのだ。
いまだ「エース」の称号も与えられていない。未完の大器が、未完のままで終わってしまうかもしれない。
優しいファンの中には「まだ22歳の藤浪に対して厳し過ぎる」と反論する人もきっといるだろう。だが、それは間違った見方だ。鳴り物入りのドラフト1位で入団した藤浪に回り道は許されない。もういい加減に「タイガースのエース」を約束付けるような投球を見せないとソッポを向かれてしまう。
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