2021年のスマホアプリ市場、中国が4割占める:注目市場は中国とインド
スマートフォンアプリ市場データを提供するApp Annieが、2021年にかけてのスマホアプリ市場規模予測を発表。全世界のアプリストアを合計した消費者支出額は1390億ドル(約15兆3700億円)を超える巨大な市場に。注目国は中国とインドだという。
スマートフォンアプリ市場データを提供するApp Annieが4月7日、2021年にかけてのスマホアプリ市場規模予測を発表した。全世界のアプリストアのダウンロード数は年20%近いペースで増大し、21年には3520億件を突破。全アプリストアを合計した消費者支出額は1390億ドル(約15兆3700億円)を超えるという。
AppleのiOSは、21年まで最も収益の多いアプリストアの座を維持し、同年の収益額は603億ドル(約6兆6700万円)に上る見通し。しかし、Androidデバイスもユーザー数を急速に伸ばしつつあり、17年にはGoogle PlayとサードパーティーのAndroidストアを合計した収益額はiOSを追い抜くとみられる。
注目の市場は中国とインド。中国は、16年から21年にかけて、ダウンロード数は年19%のペースで増大し1280億件に、消費者支出も年24%のペースで増えて565億ドル(約6兆2500億円)と全体の約40%に達し、市場の成長をけん引するという予測だ。
App Annieは「中国の購買力は成熟市場ほど高くはないが、他の新興市場を大きく上回っている。また、ゲームをはじめとするエンターテインメントへの支出の大きさは、東アジアの他の成長市場と文化的に似ている。この2つの要素から、全体の収益は拡大する」と分析している。
また、インドもスマートフォン普及が著しい。アプリストアのダウンロード数は年28%のペースで急成長し、21年には約230億件近くに達する見込みだ。しかしインドは中国とは異なり、成熟市場と比べて購買力が著しく低く、ゲームやエンターテインメントへの支出よりも節約を好む文化があることから、全世界のアプリストア支出に占めるシェアは2%以下にとどまるという。
App Annieはアプリパブリッシャーに対し、以下をアドバイスしている。
- 成熟市場(中国、米国、日本、韓国、英国)への投資を続けること。
- メディア、ニュース、マッチング業界のパブリッシャーは、サブスクリプション広告モデルへの投資を続けること。
- ゲームとエンターテインメント分野で中国進出を考えているパブリッシャーは、文化の違いを乗り越えるため、ローカリゼーションと提携に力を入れること。
- インド市場では、広告などほかのマネタイズモデルの検討をすること。
今回の予測リポートは、発表はアプリストアのダウンロード件数と収益のみを対象としているが、アプリストアの収益増加と並行するように、アプリ内広告やモバイルコマース(携帯電話を利用した電子商取引)の収益も急増を続けると考えられる。ますます成長していくスマートフォンアプリ市場を活用することが、ビジネスの成功には欠かせなくなってくるだろう。
関連記事
- マンガアプリ利用者数、首位は「LINEマンガ」
ニールセンデジタルがマンガアプリの利用状況を発表。2017年2月時点の月間利用者数1位は「LINEマンガ」の279万人だった。月間利用回数と1回あたりの利用時間もトップに。 - 業界関係者が「ポケモンGO」の世界的大ヒットを“予測できなかった”ワケ
「ポケモンGO」が世界的な大ヒットとなっている。しかしアプリ業界の関係者は、ここまでのヒットになるとは誰も予想できていなかった。“アプリのプロ”がヒットを見抜けなかった理由とは。 - Androidの世界シェア、ついにWindows超える
17年3月の世界OS市場で、Androidのシェアが初めてWindowsを上回った。 - “ダメ男を見抜くゲーム”はなぜ生まれた? 恋愛アプリで売上106億円・ボルテージの新機軸
ターゲットを女性に絞った“恋愛ドラマアプリ”で成長を続け、売上高100億円を突破したボルテージ。そんな同社をけん引する一風変わったゲーム「ダウト〜嘘つき男は誰?〜」は、証拠を集めて“ダメ男”のうそを暴くゲームだ。本作は何を目指して生まれたのか、担当者に聞いた。 - これまでのPR手法が通用しない!? アパレル業界が次にとる一手とは
大きく変化し、新たなトレンドが生まれ続けているファッション業界。“常識”や“反対意見”を打ち破ったところに、新たな突破口がある――。いち早く流行を先取りし、さまざまな挑戦を続けるTOPLOG代表取締役兼CEOの亀山隆広さんに、アパレル業界の“次の一手”を聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.