なぜ浅田真央が好かれ、安藤美姫は嫌われたのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)
女子フィギュア界の国民的ヒロイン・浅田真央選手が引退を表明した。多くのマスコミが大々的に報じ、その影響力の高さを改めて証明する形になったが、もうひとりの存在を忘れてはいけない。安藤美姫さんだ。
「浅田選手=ベビーフェース」「安藤さん=ヒール」のイメージ
引退時の扱いで2人に「差」が生じた理由はハッキリしている。メディア報道に助長される形で「浅田選手=ベビーフェース」「安藤さん=ヒール」のイメージが世間に浸透しているからだ。
そういう構図を作り上げた最たる要素は、2人の私生活の違いであろう。特に安藤さんは現役時代から昨今まで数多くの浮名を流してきた。コーチを務めていたニコライ・モロゾフ氏とは結婚寸前まで行きながら結局のところ破局。その後“未婚の母”となって長女を出産し、スペインの有名フィギュアスケート選手で「貴公子」の異名を持つハビエル・フェルナンデスと真剣交際していたが、最近になってまたしても破局説が浮上している。
フィギュアファンは圧倒的に女性が多い。私生活が派手で「奔放」なイメージが漂ってしまうと、どうしても女性ファンはその選手に自分自身を投影することができず大きく幻滅してしまう。もちろん安藤さんは何ら悪いことはしていないのだが、まず間違いなく彼女の恋愛遍歴に対してアンチ安藤ファンは強烈なほどのアレルギーを抱いている。
その中には安藤さんが、イケメンで社会的地位のある外国人男性たちと“取っ替え引っ替え”のごとく次々と付き合えるところに嫉妬(しっと)を覚えている人もいるはず。つまりは自分がやりたくてもできないというジレンマだ。
その一方で浅田選手には「清楚」「クリーン」などといった女性たちから見れば、つい応援したくなるイメージが強く浸透している。これまでスキャンダルは一切なく、芸能マスコミから追い掛け回されるような浮いた話もまったく聞こえてこない。清廉潔白で可憐――。プライベートでも男の影はまったく見えず、とにかくただひたすらリンクでの演技に没頭する。そういう健気な姿勢を貫くからこそ浅田選手は同性のフィギュアファンにも熱烈な支持を受けている。
参考までに全国各地で行われるフィギュアの大会を古くから観戦行脚している女性ファンは「あくまでも勝手な個人的見解だけど」と前置きし、次のように力説している。
「安藤美姫ってプライベートで遊んでいる感じがするし、いつもツンツンしているようで嫌い。でも真央ちゃんは私生活でもきちんとしている印象があるし、そして常に謙虚。どっちを応援したくなるかって言えば、どう考えてもやっぱり真央ちゃんでしょう。彼女は私たちが全身全霊で応援してしっかりサポートしてあげなきゃいけない。真央ちゃんは、そういう気持ちにさせられる」
関連記事
- スポーツ界で“オレ様”が減っている、なるほどな理由
結果を出す人と、出せない人にどのような違いがあるのか。オリンピック4大会に出場し、4つのメダルを獲得した、水泳の松田丈志さんに話を聞いたところ「周囲から応援される人は結果を出しやすい」という。どういう意味か。話を聞いたところ……。 - ミズノの作業用シューズが、実は売れている
現場の作業者などが作業中に履くプロテクティブスニーカーを、ミズノが発売したところ、当初計画を上回る売れ行きを示している。意外とも思えるヒット商品は、どのようにして誕生したのか? - なぜ時刻表に“謎ダイヤ”が存在するのか
鉄道の時刻表を調べる際、スマホで検索している人が多いだろうが、実は紙の時刻表をじっくり見ると、興味深い情報がたくさんある。例えば、実際に走っていない特急が走っていることも。どういうことか。『JTB時刻表』の大内編集長に、謎ダイヤの真相を聞いた。 - 「どうせ売れない」を覆した「もぎたて」大ヒットの理由
2016年に706万ケースを販売したアサヒビールの缶酎ハイ「もぎたて」。これまで、売れる酎ハイをなかなか生み出すことができなかった同社が、なぜ大ヒット商品を生み出せたのか。 - NHKが、火災ホテルを「ラブホテル」と報じない理由
言葉を生業にしているマスコミだが、会社によってビミョーに違いがあることをご存じだろうか。その「裏」には、「華道」や「茶道」と同じく「報道」ならではの作法があるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.