京都の人気和菓子「阿闍梨(あじゃり)餅」を4月19日から減産すると、製造元の「満月」(京都市)が発表した。味の決め手の1つ「丹波大納言小豆」が凶作で16年度分の収穫量が大幅に減り、生産を控える必要があるという。
毎週水曜日を定休日にし、製造販売を控える形(5月3日などを除く)。10月末まで続ける予定で、10〜11月に収穫される17年度新豆の生産数を見ながら、今後のめどを立てていくという。
満月は江戸時代末に創業した老舗和菓子屋で、看板商品の阿闍梨餅は2代目当主が大正時代に考案。餅粉をベースにした生地に、兵庫県・京都府産の丹波大納言小豆を使った粒あんを包んで焼いたもので、独特の食感が楽しめる半生菓子だ。
1つ108円(税込)と安価で、お土産の定番にもなった。直営3店舗のほか、百貨店や土産物店でも販売されている。
満月の総務部によると、「ここ数年丹波大納言小豆は天候の影響や虫害などがあり不作が続いていたが、16年度は特に凶作だった。満月が使用する丹波大納言小豆の使用量が年々増えているのもあり、生産者の対応が難しくなった」という。
「小豆を切り替えると味が変わってしまう」と、他地域産への切り替えも難しく、「小豆がなければどうしても生産を抑えていかなければいけない」という。生産量は全体の2割ほど減りそうだという。
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