売り場を減らしたのに、なぜ崎陽軒のシウマイはバカ売れしているのか:水曜インタビュー劇場(変わらない公演)(1/6 ページ)
東京や新横浜で新幹線に乗ると、車内でビールを飲みながら「シウマイ」を食べているサラリーマンをよく目にする。崎陽軒の「シウマイ弁当」だ。駅弁市場は縮小しているのに、なぜシウマイ弁当は売れているのか。その理由を、同社の担当者に聞いたところ……。
東京や新横浜で新幹線に乗ると、車内でビールを飲みながら「シウマイ」を食べているサラリーマンをよく目にする。崎陽軒の「シウマイ弁当」だ。
出張帰りの楽しみのひとつに「駅弁」がある。例えば、仙台駅では「牛たん弁当」、広島駅では「あなごめし」を想像する人が多いかもしれないが、首都圏で最もよく売れている駅弁といえば「シウマイ弁当」である。
「『シウマイ弁当』なんて食べたことないなあ」という人もいると思うので、簡単にご紹介しよう。横浜名物シウマイの妹分として、弁当は1954年(昭和29年)に登場。折箱の中にはシウマイが5つのほかに、マグロの照り焼、かまぼこ、鶏の唐揚げ、玉子焼き、タケノコ煮、あんず、切り昆布&千切りショウガ、ご飯が入っていて、価格は830円(税込)。他の弁当で食べることができない食材が入っているわけでもないのに、1日に約2万1000食売れていて、いまだに出荷数が伸び続けているのだ。
驚くのはまだ早い。駅弁市場は縮小しているのに、崎陽軒の売上高は過去最高を記録しているのだ。2015年度は220億8199万円、2016年度も過去最高を更新する見通しだという。さらにさらに。売り場を減らしてきたのにもかかわらず、売り上げはぐんぐん伸びているのだ。
崎陽軒のシウマイはなぜ多くの人に愛されているのか。その秘密を探るために、同社で広報・マーケティングを担当している金田祐輔さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンライン編集部の土肥義則。
関連記事
- なぜ地図で「浅草寺」を真ん中にしてはいけないのか
地図を作成している編集者に、2枚の地図を見せてもらった。1枚は浅草寺が真ん中に位置していて、もう1枚は浅草寺が北のほうにある。さて、実際に地図に掲載されているのは、どちらなのか。答えを聞いたところ、予想外の結果に!? - 生産中止! 大苦戦していたブラックサンダーが、なぜ“売れ続けて”いるのか
30円のブラックサンダーを食べたことがある人も多いはず。年間1億個以上も売れているヒット商品だが、発売当初は全く売れなかった。一度は生産中止に追い込まれたのに、なぜ“国民の駄菓子”にまで成長することができたのか。 - 受注を減らしたのに、なぜ「チョコモナカジャンボ」は3倍も売れたのか
森永製菓のアイスクリーム「チョコモナカジャンボ」が売れている。売上高は14年連続で伸びているが、その背景にはどんな“仕掛け”があったのだろうか。同社のマーケティング担当者に話を聞いた。 - なぜミニストップのソフトクリームは真似されないのか
某コンビニのPB商品がヒットすれば、競合他社が同じような商品を販売する――。コンビニは“真似の歴史”を刻んで、拡大してきたわけだが、真似されないモノもある。そのひとつが、ミニストップのソフトクリーム。その理由は……。 - 売れない時代に、UPQのバイクが好調な理由
家電ベンチャー「UPQ」が発売したバイクが、よく売れている。折り畳むことができる電動の原付バイクは、なぜ消費者に支持されたのか。同社の中澤CEOに、その理由を聞いたところ……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.